第732話 アマビエさん、足払いをくらう

 薬局長は笑っていたが、やっぱり薬剤師二人体制は無理がある。特に、僕がまだまだヒヨッコで代わりになれないからなおさらだ。もう一人雇ってもらうのって、本当に無理なんだろうか?


「へろー」


 僕が考えていると、アマビエさんがやってきた。今日はもう、花粉噴射モードではない。


「難しい顔をしているな、ヤクザ」

「ああ……アマビエさん」

「バカの考え休むに似たりというぞ?」


 僕は巨体に足払いをかけた。


「患者になんという無体を」

「人間じゃないから許容範囲内です」



【薬局あるある】

 薬剤師の増員はなかなか受け入れてもらえない。

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