第722話 アマビエさん、明後日を向いてる
「それはそうでしょうけど……人間って、時々すごいことするわね」
「まあ、河豚を食う民族はこのくらい受け入れるでしょう」
「そう言われてみると返す言葉がないわね」
アマビコさんと似たようなことを薬局長がのたまった。
「で、その成分とやらは具体的にはどれくらい飲めばいいの?」
「だいたい短くて三年……」
「枕詞間違ってない?」
「間違ってないよ。五年飲むことを勧めてる医者もいるくらいだし」
その言葉を聞いて、前のめりになっていた事務の子が元の姿勢に戻った。
【薬局あるある】
時間がかかる治療には、難色を示す人が多い。
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