第582話 アマビエさん、逸材を知らず

「……太ったりしないの?」

「少なくともここ十年は同じくらいの体重ですよ」


 うらやましい。そっちの方がよっぽどうらやましい。


「……君はそのままでいいよ。ご両親に感謝しなさい」

「なんですか-! 嫌ですよー!」


 騒がしく抗議する事務の子を置いて、僕は薬歴を片付けにかかった。しばらくキーボードをうつ音が響いた後、電話がかかってくる。


「検査キット、在庫ありますかって言われてるけど」

「あるけど、一人一つしか販売できないって言っておいてもらえるかな」



【薬局あるある】

 欲しい薬や商品があるかは、電話一本でお答えできます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る