第561話 アマビエさん、清浄を続ける
OKが出てから、僕はゴム栓に針先を差し込んだ。
一気にピストンを押し込む。ここで中途半端に止めてしまったり、途中で手を離すと溶解液が逆流してしまうため、絶対にやってはならない。
「ふー……」
押し切ったのを確認し、針先を水面から引き抜いてから、ピストンから手を離す。空気が注射器の中に入り、上まで戻りきったらゆっくりと引き抜く。
「あー、無事終わった」
何回やっても、この希釈を終えるまでが一番ドキドキする。大きく息をつく僕を見て、隣の薬剤師さんが笑った。
【薬局あるある】
一発勝負の作業は、深呼吸してからはじめる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます