第542話 アマビエさん、核心をつく

「でもあれ、あんまり意味がなさそうだったがな」


 アマビエさんが腹をかきながら、核心をついたことを言う。


「確かに、そうでした……そもそもキャップのゴムがそんなにもたないし」

「針も注射器も、何回も使うと緩んで、微妙な感覚の違いなんか分からなくなるしね」


 少なくとも新品のものをいくつかもらえないと、練習にはならないのだ。急ごしらえだったから、数を用意するのも大変だったのだろうが。


「……となると、ミスも起こるべくして起こったことになるな」


 アマビコさんが腕組みをした。



【薬局あるある】

 緊急時は、色々なものが雑になる。

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