第539話 アマビエさん、また聞き役
「ワクチンって、きちんと採取できれば、瓶の中に少し液体が残るようになっているんです。それに何かの手違いで水が入ってしまうと、薄い効果の無い液体が患者さんに投与されてしまいます」
「そんなこと言っても、濃度が全然違うわよね?」
クタベさんは冷静だ。確かに、正確に希釈した方のワクチンは白く濁っている。よくよく見れば、見分けはつくのだ。
「……落ち着いていれば、ですよね」
「だね」
僕と薬局長は、意味ありげな視線をかわしあった。
「焦るんだよね、あの空間」
【薬局あるある】
焦ってもいいことは何一つない。本当に。
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