第534話 アマビエさん、のってこない

「その程度じゃダメだよ。ちゃんと防護服を着て、手にはビニール手袋。その上でアルコール消毒もして作業しなきゃ」

「も、ものものしいな」


 様子を聞いたアマビコさんが、ちょっとひるんだ。


「始まってからも大変でね。水を入れてワクチンを薄めるんだけど、その量が多くても少なくてもいけない」


 薬局長が重々しく言う。


「……ちなみに、水の量を間違えたらどうなるのだ?」

「そのボトルは廃棄、つまりゴミになる。ワクチンは一本一万円以上するけどね」



【薬局あるある】

 もとがいくら高かろうと、ダメになってしまったら容赦なく廃棄。

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