第342話 アマビエさん、近道を歩きたい

「さぷりめんとを出せ」

「アマビエさんには残酷な結果になりますが」

「なんだ」

「飲むだけで痩せる薬なんてのは、ありません」

「ぐほっ」


 アマビエさんはソファに突っ伏した。クタベさんがため息をつく。


「ちょっと考えてみれば分かるでしょう。お馬鹿さん」

「ぐぬうううう」

「いいですか、『痩せる』というのは、食べる物がない時代には『死』につながっていたのですよ。生物の体は、それを防ぐために進化したのです。人間ですらそうなのです、妖怪はもっと痩せませんよ」



【薬局あるある】都合の良い奇跡の薬は、どこの世界にもありません。

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