第320話 【番外編】アマビエさん、お行儀が悪い

 僕がアマビエさんを抑えているうちに、妹がホットプレートに点火する。社長とセンセイは食器を並べ、すき焼きの準備は整った。


「はい、アマビエさん座って。お箸持つ」

「カチカチカチカチ」

「トングは焼く人のです。カチカチいわせない」


 鍋奉行は、とりあえず社長がつとめることになった。


「まずは、ネギと椎茸……火が通りにくいからね」

「チャッチャッチャッ」

「社長、肉を焼いてください。アマビエさんの箸が止まりません」


 アマビエさん、喋るのも忘れて肉ばかり見ている。社長は苦笑しながら、肉をホットプレートに落とした。

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