第180話 【番外編】アマビエさん、主張する

 センセイの本が売れればいいなと僕が思っていると、女子集団が戻ってきた。


「さ、行こ行こ」

「その前に……この二体は、男湯女湯どっちに入るの?」

「好きな方でいいんじゃない」


 性別の区別があいまいな二体に、改めて聞いてみる。


「一緒はごめんだな」

「だな」

「じゃあ、赤と青で好きなの選んで」

「我は青」


 体が青っぽい色のアマビエさんが、迷わず言った。ということは、僕と一緒ということだ。できれば面倒のなさそうなアマビコさんが良かったのだが、あっという間に決まってしまった。


「行くぞ、ヤクザ」

「はい……」


 先が思いやられる。

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