第109話 アマビエさん、驚愕する

 アマビエさんは、きっちりファックスを送ってきた。準備を進め、来局の前に全ての薬をそろえる。


「アマビエさん来ましたよ」


 投薬が終わった僕に、事務の子が声をかけてくる。


「お待たせしました。アマビエさん」

「はい」

「はい」


 何故か、二つ返事がある。そして僕の前に、影が現れた。


 一つは、いつものアマビエさん。もう一つは──


(すごいの来ちゃった……)


 ゴムのような、真っ黒な個体。アマビエさんと同じような三本足だが、体の部分がほとんどなくタコのよう。完全な人外だ。


【薬局あるある】たまにすごいビジュアルの人が来る。

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