第107話 アマビエさん、ご立腹

「おや、アマビエさん」


 アマビエさんは温和な笑みを浮かべる薬局長に、まっすぐ突進した。


「どうしたんですか? ウイルスは?」

「精神の回復が必要である」


 ずいぶん打ちのめされている。それでも、僕を刺すメンタルだけは残っているのがアマビエさんらしいが。


「何があったんです」

「……街中で、子供に」

「囲まれた?」

「某戦隊ものの悪役と言われた」

「ああ……まあ……」


 確かに魚チックな体に、三本足だ。僕たちは普通に受け入れたけれど、純粋に見ればモンスターに見えなくもない。


【薬局あるある】子供は時に、致命傷となる一撃を放つ。

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