第100話 アマビエさん、自撮りする
「アマビエさんも気をつけてください」
「ああ」
返事はするものの、アマビエさんの気がそぞろだ。
「何が気になります?」
「さっきの『かめら』の画像が見たい」
「ああ、これも絵みたいなもんですからね……」
よく考えれば、絵じゃなくても写真を拡散すれば同じである。もっと早く気付けばよかった。
「はい、よく撮れてますよ」
最近のスマホカメラは本当に綺麗になった。アマビエさんの鱗の一枚一枚まで、しっかり映っている。
「違う」
「え?」
「我はこんなにブサイクではない」
【薬局あるある】真実は、時に受け入れられないこともある。
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