第62話 アマビエさん、憤る

「そういえば」


 帰りかけたアマビエさんが、足を止めた。


「薬局は休みのこともある」

「土日祝は医療機関も薬局も止まります」

「なら、その日は含めないのであろう?」

「「入ります」」


 僕と事務の子の声がかぶった。


「なに」


 アマビエさんの顔が強張っている。


「不可抗力であろう」

「日が経ってるのは一緒ですから」

「うぬ……」


 アマビエさんは鱗に、指で「期限」と書き帰っていった。僕が手にマジックでメモする感覚だろうか。


「でもあれ、忘れますよね」

「それ言ってはいけない」


【薬局あるある】休日・祝日も見据えたスケジュール管理、重要。

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