第42話 アマビエさん、他の病院に行く

「アマビエさん、お薬手帳ちゃんと使ってくれてますね」

「ふふん」

「こっちは相変わらず空白ですけど。他の薬は使ってないんですね」


 ダラックマの手帳には履歴が増えているが、北斎は真っ白だ。


「うん」

「湿布や目薬もないですか」

「……ある」

「あるんかい」


 思わず普通にツッコミを入れてしまった。いかんいかん、と僕は口元を押さえる。


「いや、それも報告してくださいよ。手帳の紙はどうしたんですか」

「いらんと思ったので捨てた」

「アマビエさんともあろうものが」


 僕は頭を抱えた。


【薬局あるある】目薬や湿布は薬にカウントしない人が多い。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る