第30話 【番外編】アマビエさん、食券を得る

アマビエがパネルに触れると、低いうなり音とともに食券が吐き出される。


「おお……文字が書いてある」

「特そばと半炒飯。間違いないですね」

「我の絵をここに入れたい」

「その技術はないので諦めてください」


断られたアマビエは、恨めしそうに店内の信楽狸と招き猫を見ていた。


「ああいう像が欲しい」

「はい、座って座って。券出さないと、いつまで経っても食べられませんよ」

「店員よ。我の絵を券に刻め」

「……ご意見ありがとうございます」


店員は、やっとアマビエから食券を受け取った。


「三番四番さん、特セット二つ」

「はいよ」

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