第11話 アマビエさん、納得する

僕は返事を待ちながら、一包化に使う錠剤のシートをむいていく。


「そろそろパラスター(ばらし機)ほしいですねえ」


薬ができあがる頃になって、ようやく返事があった。


「七十日処方に変更してください」

「ありがとうございます」


書類から「0」が抜けただけの単純なミスだった。アマビエさんが正しかった。


「我の記憶は確かである」


経緯を聞いたアマビエさんは満足げだった。


「どれくらい長い間覚えているものですか」

「来来来世」


前前前世みたいなノリで言われても。


【薬局あるある】処方箋は意外と不備が多いので、ちゃんとチェックしましょう。

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