第四話
私達が遭遇した同じ交通事故。
私は母親が運転する乗用車で。
須藤さんは乗り込んだバスで。
三綴市付近の高速道路上で起こった惨事はどこかの誰かの居眠り運転が原因で、当時道路上にいた多くの車、人が巻き込まれた。
不幸中の幸いは奇跡的に死者が出ず、後遺症が残るほどの怪我をした被害者が出なかったことだけど。
そういうのにも例外っていうのはあるもので、私と須藤さんがその例外であった。
同じ部屋で出会った私達二人。
命に別状は無くとも安静に過ごさなければならない病室での時間は退屈で、ベッドの隣人であった、当時十八歳の須藤さんが口にする話は面白くて、旅行話や怪談話やと話題が豊富で。
時が経って、定期健診で何度か顔を合わせた時に教えてくれた体の異変、以前との違いには私も心当たりがあった。
五体無事の代わりに残った後遺症。
他の人に話せば変人扱いされそうなそれは。
【探し物が『解る』】
といった奇妙な異能力であった。
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