22日目 歪んだ心

職員室前。


〈柄本会長〉ん?


〈道久〉.....


二人は止まり、暫くにらみ合いが続き、やっと、道久から声を掛けた。


〈道久〉兄さん


〈柄本会長〉やあ、道久久しぶりだな


〈道久〉草ww破滅部をどうする気だ?なんで、あんたが、兄さんがどうして?


〈柄本会長〉おれはもう君のお兄さんじゃないよ


〈道久〉んなことなどうでもいい!


〈柄本会長〉簡単な話さ、気にくわないのさ、それに、俺の知らないところで勝手に申請なんてするからそうなるんだ


〈道久〉ちがう!あんたは、楽しんでるんだ!消したい!とか、下らないことを考えてるんだ!


〈柄本会長〉あ?ふふふ、違うな。おれは我田引水な男なんだ。いいか、消したいとか、廃部?そんなのしらねえよ、あの部活がどうなろうと、興味がない。こうも言うな、厚顔無恥。恥知らずで厚かましい。まさにそれだ。あいつらは将棋で例えるならただの駒なんだよ。おれは性格が歪んでんだ。いいか、俺を楽しませろ。でなければ、潰すまでだ、お前もな。覚えとけ。

まあ、せいぜい頑張れ、じゃあな


柄本会長は悪魔のような顔をしていた。それも恐ろしいほどに、まるで、閻魔大王を連想させるかのような恐ろしい顔で、道久に話した。

そして、職員室を抜け、2階に登る階段を登っていった。


〈道久〉くっそ!あいつ!ゆるさない!あのくそ野郎!


と、そこに、一星がいた。


〈一星〉おい、道久....


〈道久〉あ、一星くんですか、どうしましたか?


〈一星〉今の話、少しだけ聴いたぞ


〈道久〉!?どこまで聴いた?


〈一星〉聴こえたといっても、遠くだったからあまり聴こえなかったが、お前が、あいつの兄さんだってことは聴こえた


〈道久〉そうか


〈一星〉本当なのか?


〈道久〉うん、本当だよ。昔はこんな人間じゃなかったのに。もっと、優しかったのに、なぜ、こんなことをするんだ?


〈一星〉そっか。あいつは完全におれらをおちょくってるな。けど、まさかお前の兄さんだということは、知らなかった。


〈道久〉この話は、内緒にしておいてくれ


〈一星〉わかった。安心しろ、俺は口が固いほうなんだ


〈道久〉わるいな


〈一星〉いいってことよ!


このような会話をして、ふたりは別れた。

道久と一星は、自分のクラスに向かった。

そして、この話をもう一人、ある女性が見ていた。


ー 22 歪んだ心 ー おわり

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