野望の果て(資料)
今回は「野望の果て」を取り上げます。第3シーズンの3話、通算では18作目の作品です。
ちなみにシリーズナンバーワンとされるあの「別れのワイン」の次に発表されたエピソードです。「野望の果て」は好きな作品なのですが、あまり人気は高くないようで、「別れのワイン」の次であることで割りを食っているのかな、などと想像してしまいます。
順番通りに見ている人はそれほどいるとも限らず、特に「別れのワイン」などは世評が高いぶん、「これだけは見ておいたほうがいい」といった勧めかたもされているでしょうから、あまり順番は関係ないかもしれません。余談はここまでにします。
犯人はネルソン・ヘイワード。
上院議員候補の政治家です。
切れ者であるがゆえに今後、邪魔になりかねない選挙参謀のストーンを始末するのですが、この計画がお見事。
コロンボシリーズの解説書や研究書などでは、犯人の素性とともに犯罪計画のかなり細かいところまで「ネタばらしあり」の警告なしに触れているものもありますが、「野望の果て」のプランはぜひネタばらしなしで楽しんでもらいたいです。犯人が政治家で、選挙戦の真っ直中というシチュエーションが実に効いています。
ヘイワードを演じたのは、ジャッキー・クーパー(1922ー2011)。最初の放送が1973年11月4日ですから、ロディ・マクドウォールが51歳頃の作品です。
配役を考えるにあたってポイントになるのは、この作品が持つリアルさ。子役からキャリアを積んだジャッキー・クーパーの演技はシリーズでは異色なほど渋い、というか地味。地味という言葉がマイナスにとらえられかねないならば、落ち着いているとすればよいでしょうか。
さて、ネルソン・ヘイワードを演じてもらうなら誰か。会議を始めましょうか。
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