50日目 金盞花

今日は帰りに珍しく要と椿の二人で帰っていた。


すると、近くの公園で金盞花が咲いていた。要はそれを見て、立ち止まった。


〈要〉あ!金盞花や!


〈椿〉金盞花?


〈要〉知らんの?


〈椿〉知ってるわ!なんで金盞花?


〈要〉金盞花は、この時期に咲く花やで


〈椿〉へー、詳しいな?


〈要〉まあな、小さい時からすきやねん


〈椿〉へー。以外だな、女の子みたい


〈要〉いや!女や!なんや!女の子みたいて!今まで男やと思ってたんか!


〈椿〉若干...


〈要〉若干とかいうたるなや!


〈椿〉まあまあ、それより金盞花のことおしえてくれよ


〈要〉まったく。金盞花?なにおしえればええの?


〈椿〉んー、生態?


〈要〉なんや生態って?まあ、ほな、育てはしないと思うから花言葉教えてあげる


〈椿〉花言葉?


〈要〉金盞花の花言葉は、悲嘆、寂しさ、失望、絶望、悲しみやで


〈椿〉じゃあ、こいつらはこんなに綺麗に咲くのにだれも見てくれないからそんな花言葉がついたのか?


〈要〉ちょっとちがうな。由来はギリシア神話からきてるで。ギリシア神話はこうなってる。水の精(ニンフ)クリティが太陽神アポロンに恋をした。

しかし、アポロンとレウコトエ王女が恋仲にあって、それをねたんだクリティが王女の父に密告したんやって。それで、怒った王は娘のレウコトエを生き埋めにした。

自分の行ないを恥じたクリティは、9日間地面に座ったまま空をすぎるアポロンをみつめていると、やがてキンセンカに姿を変えてしまった、という話だ。

そこから、絶望、失望、悲嘆などといった花言葉がついたらしいな


〈椿〉そうか、じゃあ金盞花はそのアポロンだったんだな。たぶん、アポロンは落ち込んでるクリティを喜ばせようとして金盞花になったのかもな


〈要〉せやな(悪いな椿、これはもうひとつの説としてのギリシア神話や。もうひとつの神話ははなせんな)


〈椿〉なんか悲しい話だな


〈要〉せやな



金盞花には色々なギリシア神話での話がある。要はいい話として、一つのギリシア神話を椿にはなした。

それは、椿を気遣ってか、クリティを気遣ってか、それは要本人しかわからない。

クリティは本来、もうひとつのギリシア神話では、アポロンに振り向いてもらえず、どうしようもに悲しみに暮れた水の精のクリティエーは、毎日太陽を見ながら泣いていました。水の精のクリティエーは、ヘリオトロープ太陽を見つめて咲く金盞花、あるいはひまわりになっと言われています。


ー 50 金盞花 ー おわり

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