第七夜
――やあ、みなさん
またお会いしましたね
私、この呪いのWeb小説の
――呪いのWeb小説へようこそ
ある晩、横浜で仲間達と
お酒を飲んでいたんですよ
確かにそこは横浜で
仲間達と一緒に居たはずなんです
その時ですね
まだ宴席もはじまったばかりなのに
いきなりプッツリと
次の日の朝気がつくと
横浜で飲んでいいたはずなのに
何故か一人で新宿の路地裏で寝てたんです
もちろん意識がなくなってからの記憶は
全く残っていなくて……
それだけなら酒の失敗談ということで
笑って済ますことも出来たんでしょうけど
なんか手の甲がやけに痛いなと思って
自分の手をまじまじと見てみると
拳の皮がベロベロに剥けていて
血まみれだったんですよ……
それを見た瞬間
背筋が凍りつきましたね
やはり、自分で自分が
コワくなりました
壁とか物などを殴って
勝手に負傷してるだけなら
別にそれほど大して問題はないんですがね
いやまぁ器物破損も
立派な犯罪ではありますが……
ですが誰か人と喧嘩でもして
こんな手になったのなら
どうしようかと思いましてね
人間を殴っていたとしたら
相手がまぁまぁ重症なのは間違いない
もしかしたら相手を、
人を殺してしまっているかもしれない
そう思ったらガクガク震えが
止まらなくなりました……
酒で記憶を失くしている間に
誰か人を殺してしまう
そんなことがあるものかとも思いますけどね
現に記憶が全く無いのに
横浜から新宿に移動している訳でして……
記憶が全く無いのに
駅まで行って改札を通って
電車を乗り換えて移動するというのは
まぁまぁ難易度高いと思う訳ですよ
それに比べたら
単純に近くに居た人を殴る方が
よっぽど簡単な訳ですから……
やっていたとしても
そんなに不思議なことではないですよね
知らず知らずの内に
人を殺しているかもしれないということでは
今世界中で大パニックを起こしている
新型ウイルスの
無自覚な感染者もそうでしょうか
自分が外を出歩きまくって
どこかでウイルスを拾って来てしまっている
だけど無症状であるため、
本人にはその自覚が全くなくて……
今まで通り普通に外を出歩きまくり
ウイルスのパッセンジャーとして
ウイルスの拡散に務めている
本人は無症状でも
重症になるかもしれないし
死んでしまう可能性だってある
自分の知らないところで
誰かにウイルスを感染させ
それが更に拡散されて……
どこかで誰かを殺しているかもしれない
なんで突然こんな話をし出したのかと言いますとね
この『呪いのWeb小説』を見ているあなたも
どこかで誰かを殺しているかもしれないからなんです……
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