碧に沈む 〜人魚姫の復讐譚〜
つばさ
プロローグ
第1話 始まりの世界
遥か昔、広い空の下、周りを海に囲まれた一つの島があった。
島には人間が住み、海には人魚が暮らしていた。人魚は自分たちの知らない陸の世界に憧れたが、人間は海にあるものも全て自分達のものにしたいと欲を出した。
そして人間と人魚の長い戦争が始まる。
台地は荒れ、海は汚染され、沢山の血が流れた。どれだけの命が失われようと終わらない戦争をみかねた神は人間と人魚の戦いを終わらせる為に人魚に人を愛する心を与え、人間には全てを守ろうとする心を与えた。
そして二つの種族が和平を結ぶ証しとして人間と人魚が結ばれた。
神はどちらかの種族が和平の約束を違えた場合、裏切った方の種族の中で二人の子孫の者が呪いを受けるようにした。
そしてその二人の血は今もそれぞれの国の王家に脈々と受け継がれている。
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