心に刺すもの

 音楽にしろ小説にしろ

 あの頃 心に突き刺さったものを

 また同じ位置に突き刺すだけの話だ


 それでも作品が違うならまだ良い

 同じものを刺すのではあまり進歩がない

 私は別に仕事で見ているわけではないので

 好きにしたらいいとも思うが

 同じものを繰り返し

 繰り返し見ていると

 なんだか自分が少し足りないのではと不安になる


 慌てて萩原朔太郎を放り

 本屋へ走るが

 今度は小川未明ばかり

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