給料日ふたたび

 何度味わっても給料日というのは良い。格別だ。

 しかし、満たされるのはほんの一瞬だ。ATMで受け取り、支払い用の別の口座にぶちこむまでの、僅かな時間。あとは通帳の印字を眺めて、まだ足りない、まだ足りない、と焦るばかりである。労働だけでは限界があるので、色々やってはいるのだが、いつ形になるやら。


 もしも、それこそ宝くじに当たるような奇跡が起こり、十分な金が出来たなら、私は働かない。人にも会わない。ただ一人で自由な時間を過ごすだろう。貯金ばかりで何か買わないのか、と聞かれたことがあるが、私は時間と自由が欲しくて、そのために貯めている途中である。

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