空文集

石嶺 経

再会

 その辺を歩いていて、高校の同級生とばったり再会、という経験が全くない。友人が居ないとは言え、それは現在の話であって、学校には通っていたし、教師生徒合わせて数百人は知り合いがいると思うのだが、これが不思議と何処にも居ない。行くところなど、割と限られている土地だと思うのだが。

 会って話がしたいとかではない。〇〇を覚えてるか、あいつはどうやら消息不明らしい、××はどうも結婚したらしい、とかそんな話をされても反応に困る。ただ、おかしいなと思っているだけだ。

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