生配信8 そのままFPS
サキサキさんと聡太さんのコラボに参加して2時間。22時の今、俺は少し迷っていた。
どうしよう。このままサキサキさん達とエーペックスをやり続けるか、一旦終わらせて違うゲームをやるか。
一緒にやり続けたい気持ちもあるけど、最近コラボばかりで1人配信をあまりやってないし、1人配信を見たいリスナーさんも居るんだよな。
うーん、ここは仕方ないよな。決めた!
「じゃあ、俺はそろそろ自分の配信をしようと思うので、ここらへんで」
1人配信をすることにする。
「えー、このまま配信すればいいじゃないですか?」
やめて、やめて! 決心が揺らぐから引き留めないで!
「サキサキさん。滝だって自分の予定があるんだから、引き止めちゃあダメでしょ」
「それもそうですけど」
聡太さんの言葉で、サキサキさんが諦めそうになる。
聡太さん、ありがとうございます。そのままサキサキさんを説得してください。
「で、今日の配信は何すんの?」
「エーペックスやろうと思ってます」
あ、やべ。
聡太さんに聞かれ、そのまま答える。
「………」
「………」
「………そのまま配信しちゃえよ」
確かにそうなりますよね。エーペックス配信やるのならこのままサキサキさん達とコラボの形でやった方が良いに決まっている。ランクとかマッチングの関係で。
だけど、
「今日は1人配信を見たいリスナーさん達のために1人でやりたいなって」
「ああ、それは………止められませんね」
「それは1人配信した方がいいな」
サキサキさんも聡太さんも俺のリスナーさん達のことを考え、そう言ってくれる。
「1人配信見たい奴もいるしな」
「ええ、だからまあ」
1人配信します。
リスナーさん達の気持ちを考え、配信するのも配信者の務め。
この前、Twitterでエゴサーチしたら『最近滝の1人配信の頻度が少なくなった』って呟いてるリスナーさんがいた。
今回はそのリスナーさんの気持ちを汲んで、1人配信。
サキサキさんと聡太さんのゲーム画面から俺が抜ける。音声アプリはそのまま。まだ時間があるので会話だけする。
「今度いつ一緒にエーペックス配信してくれますか?」
サキサキさんは3人でエーペックスをやりたいそうで、俺と聡太さんに聞く。
「俺はいつでも歓迎ですよ」
聡太さんはコラボ配信が好き。人が増えれば増えるほど、嬉しいらしい。
「そうですね、3日後とかですかね。3日間は1人配信を続けようかと思います。まあ、うちのリスナーさん達の意見で変わるかもしれませんが」
リスナーさん達が、コラボ配信見たい、って言うならコラボ配信をする。
でも今日の夜配信は1人配信。
「分かりました。じゃあ、その時は教えてください!」
「了解しました。その時はサキサキさんに教えます」
それから少し、サキサキさんの配信画面を見て、俺は自分の配信準備に入る。
よし、サキサキさんのランク超えるように頑張るか。
今日の配信の目標を決め、俺は夜配信に挑む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます