作品名：9分の5が愛

作者名：田島春

性癖：NTR全般とその派生

作品ＵＲＬ：https://kakuyomu.jp/works/1177354054894768732

　朝の挨拶、電車、体育倉庫、トイレ、義理の親子と、様々な形でのＮＴＲを書き連ねたオムニバス。

　性癖紹介に『ＮＴＲ』と書いてあるからこそ、ＮＴＲの妄想が捗るというテクニカルさがあります。特に挨拶と体育倉庫。

　直接奪う側のＮＴＲの場合もあれば、間接的に本人も知らないところで奪われているという遠隔ＮＴＲもあり、ＮＴＲの引き出しの幅広さを感じます。ＮＴＲ性癖力が高い証拠でしょう。

　基本的には直接の描写を避ける事で想像の余地を持たせた作品なのですが、トイレのシーンの部分だけ熱の入り様が高かった様に感じ取れました。他の四つは信頼関係がある上で成り立つＮＴＲなのにも関わらず、トイレだけは対象と接触していないどころか対象が自分が見られている事を認識していないんですね。かなり深い。『暗い幸せが胸を温める』という一文から物凄く高い性癖力を感じます。

　それぞれの短編も魅力的であり、話の続きが読みたくなる物ばかりでした。まるで一人ＮＴＲアンソロジー。欲望の解放のさせ方がイエスですね。