遍く神と巡る人間/古代インドハリネズミ

作品名:遍く神と巡る人間

作者名:古代インドハリネズミ

性癖:神の人間には理解し難い重めの愛、師弟愛(友愛といったBLではないんだけど性別とか種族を超えた愛情)、前世の繋がりがあるやつ

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054894765598


 凄く壮大なインド的神話体系でヤンデレストーカーに見込まれた王とその先の話。

 一方的に期待しては失望して、仕方ないので自分の理想通りに育つ様に手を加えるも、自分が育てていた魂の担い手を別のものに奪われ(たと勝手に思い込んでる)、悔しくて追っかけて、全てを捨てて、そして最後にはちゃんと得れてハッピーエンド。ハッピーエンドだよね?少なくともグッドエンドではあるはず。

 流石ヤンデレという感じ。重いです。でもその重さが良し。

 世界を何巡しても追い求めているのは彼一人であり、それ以外は全て些事でしかないと言うダイナミックなコズミックラブ。それ程の存在でも愛の前には狂うしか無いのが素晴らしいと感じました。とてもとても性癖。

 『私は前世からずっと貴方を探していました』って普通に聞いたら頭おかしいセリフにしか見えないけど、それをインド神話的テイストで構築して違和感なくしているのが凄いですね。インド的神話に対する性癖もあるのでしょう。つまり、この作品はインド神話的超越存在人墜ち転生者性癖小説という事であり、自分が読んだインド的神話性癖小説の中では暫定一位の性癖力のある作品だと思います。

 人によっては読みにくかったり固く感じる作品かもしれませんが、これだからこそ良いという作品ですね。神話はそういう物です。神話も性癖も心で感じるんだ。

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