53 魔王出現
「これは!?」
カムイは驚く。
(ズガ―ン!)
連続する落雷は、魔法の水のバリアを伝わって、湖へと四散してる。
中への影響は全くない。しかし、バリアは、帯電して、人は行き来は、できないため、
カムイと仲間は、皆その中に居るしかない。
―――――――
「ほお」
離れた森の中から、様子を見ていたケル。
ポルゾイが、気絶したため、指揮を失った、逃げ惑う、軍の中心にいる。
「女子、色々見せおるわ」
巨人を撃退したのも、アリシャだと知った。
「おもしろい」
余裕を持って言うケル。その理由は。
アリシャの頭を見ると、まるでサーモグラフィの様に、黒い点がケルの目に浮かび上がる。
「クク。もうすぐ発動じゃ」
アリシャに(闇のチップ)を、ポルゾイに、会いに来た時、こっそり埋め込んでおいた。
周辺の闇がアリシャの魔法防御を超えると、
「その時まで、こいつと遊んでもらおう」
と言うと、ケルは地面に杖を刺し、魔法陣を創る。
「闇よ返れ」
と言うと、魔法陣が、黒い沼と化す。
近くを逃げまどう人が通ると、沼の中から、
不気味な灰色の脚が出て、素早く捕まえ、引きずり込む。
大きくなって、形を成していく何か。
数え切れないほどの人が、引きずり込まれ、
出来上がっていく怪物。
大きさ5㍍、灰色の骨の様な上半身で、
顔はドクロ、身体の中心には、赤いエネルギーが渦巻いている。
下半身はムカデのように、脚が沢山ある。
闇の中でも、殺意や狂気などだけの、闇を集めて、創った怪物が出現する。
「End66 遊んでやれ」
アリシャへと向かう怪物。
足音は無く、俊敏で、辺りの木など、刈られながら、距離を詰めていく。
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