目が覚めてもRPG

稲荷コン

0章 ここから悪夢(?)は始まった

「おやすみなさ〜い」

家族におやすみのあいさつをして、自分の部屋に行く。

現在PM9:36。いつもより寝る時間が早いかも。

でも、今日は疲れたから宿題は明日の朝やることにしよう。

布団に潜り込む。私はこの時間が一番好き。

今日もいい夢見られるかな〜♪


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〈チュンチュン…〉


小鳥のさえずり?もう朝?

でも、今寝たばっかりのはず…。

じゃあ、夢?夢の可能性が高いかも。


ていうか。


ここは何処!?

とりあえず周りを散策してみよう。


〔散策結果〕

・7人の級友クラスメートに出会った

・変な格好勇者の服になっていた

武器ブレイブ・ソードをゲットした

虹色スライムがいた

・いろいろなスキルを使えるようになっていた

・敵を倒すと景色が変わった


以上。

することがないから、級友クラスメート達ととにかく敵を倒しまくろう。



〔現在敵討伐状況〕

虹色スライム29匹討伐完了


「あと1匹で居なくなる!突撃ー!!」

そう言って級友クラスメートの1人、大久保さんがスライムを倒しに行く。

被っている魔女のようなとんがり帽子が宙に浮き、落ちてくる。

そういえば、私以外の7人も変な格好をしている。

全部RPG風。

私、RPGゲームのしすぎかな。

夢でもゲームなんて。それもリアルな感じ。


ドーン!


大きな音が周囲に轟く。

どうやら大久保さんは魔法を使い、スライムを倒したようだ。

「やったぁ💕」

大久保さんがそう呟いたとたん、景色が急激に変化しはじめた。


ようやく変化が収まった時、何処からかおぞましい声が聞こえてきた。

“ふふふ…よくここまで来たな、雑魚のお嬢ちゃんたち?”

雑魚という言葉に級友クラスメートのひとり、源さんが反応する。

「雑魚いうな!姿を見せないあなたの方がよっぽど雑魚だよ!」

“あら、じゃあワイの姿を見せてあげるわ。後悔しても知らないわよ?”


辺りに閃光が走る。

眩しくて思わず目を閉じてしまう私。


“ほほほほ、ワイは上級魔道士ヴァニラ様!あなたたちはここで始末される…。そしてあなたたちの身体を乗っ取り現実世界へ行き、世界を征服するのよ…!”

ヴァニラ?と名乗る敵は、容姿は二十歳ぐらいだが、喋り方がババくさい。そして黒がかかった紫の髪。同色の長いローブを身に纏い、高級そうな杖を持っている。

ヴァニラは長く怪しい呪文を唱え始める。

唱え終わった途端、褐色の腕が登場、私たちを捕まえ、締め上げる。

いやだ、このままじゃ死ぬ…!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガバッ!!


ゆ、夢…だったの?

リアルすぎる、心臓に悪い。

でもよかった〜夢で。戦うのはもうこりごりだよ。


ん?


この部屋おかしい。

私の部屋じゃない。まだ夢の中?

試しにほおをつねってみる。

「…痛っ」

痛い!夢じゃない!現実!?

嫌な予感。




世界が狂い始めた…。









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