第58話 そうだサイクリングだ

風車か水車が見たい。

以前から小父さんには、そう要望してたのだが、ナシノツブテ。

くそぅ、サイクリングしてやる。

お弁当持って、エーリーズと水車見に出掛けてやる。

「本当に自転車で行くんですか?五里ほどありますよ」

ふむ、約20kmか。15kmが一時間ちょいで行けるから、二時間あれば着くな。

朝出て、昼着いて、お弁当食べて、水車見学して、帰る。よし、決まり。


いい天気になって良かった。

警護の名目で若い兵が付いてくる。自転車で。

彼の分のおにぎりも持って出発。

川にはそれなりに護岸工事が施され、土手の上と下にそれぞれ道が整備されている。どっちも幅2メートル強ってとこ。

もちろん走るのは上だー!

「ちょ…待てーっ!」

あ?止まって振り返る。

「何?」

「何でそんな早く走るんだっ!」

「え?早い?」

せいぜい体感15km/h程度だったのだが?

「こっちはまだ慣れてないんだぞ!」

そんな怒ることか?別にふらついてもいなかったし、普通に走れてただろうに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る