第4話 とりあえず着替え

白いブラウスに肩が紐の濃い色目のワンピース。ウエストにベルト。いやー、デブだから助かるわ。

用意してあったベルトはとどかなかったんで、慌ててエーリーズがどっかから探して来たわ。足元はサンダル。

正装って感じじゃないけど、エーリーズはこれから王に謁見だとか言う。

「嫌だ」

「聖女様」「おばちゃんて呼んでくれればいいから」

笑顔で被せるように要望する。

「そんなことをおっしゃらず…」

「休みの日のパジャマのまま拉致して、さらに挨拶に来いとか、どんだけ礼儀知らずなんだっての」

困った顔のエーリーズもかわいいな。困らせたいわけじゃないんだけど。

「絶対嫌。頼み事あるなら出向いて頭下げるのが筋ってもんよ。そう言っといで」

逃げたりはしないからと、エーリーズを部屋から追い出す。


すみっこ行こう。残ったポテチ食べよう。

カウチあったから壁側へ引きずっていった。

ほんと、あり得ない。

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