第12話え?あれ?

極楽蝶のアンシャルリコードとはアンシャルの中でも特別な存在だった。


他のアンシャルと違ってその羽根は七色に光る。

アンシャルの羽根は感性の法則に従って、感性の数だけ輝く。


だから増やすことができたらその数も増える、、らしい。


ま、人間に作れる時点で大したことないもんなんだけど。


とにかくチャンスを得た人間はそれを使って死の恐怖から逃れようとした。


宇宙、また惑星の中において、生き物の生死はただ循環しているだけのものいわば新陳代謝のようなものだ。


だからその循環を乱す者を許さないシステムは働く。


それが祟りだとか神様が怒ったとか言われるものだ。


だが、どうだろう?本当に神様に類する者がいたら?


本当にそれに全世界は従うのだろうか?


話が逸れた。


とにかく機会を得た人間はそれを使って新しい生き物を作った。


その最上位が極楽蝶のアンシャルリコードだというのだ。


私はその極楽蝶の劣化版アンシャルだった。


ところでここはどこだろう?

「そしてお前は何者だ?」

片足を持ち上げて尋ねる。


ヒドイですねアヤ。

いつも一緒にいたのに忘れるなんて。

いつも?フラちゃん?

はい!

こんなモフモフしてないよ!?


リリアさんは白いモコモコしたクマのぬいぐるみになっていた。

元素分解失敗しました!


テヘ


どう失敗したらぬいぐるみに入る!

まさか私の服を、、、

そうかそれで私がまっ裸なのか!

恥ずかしいだろ?

周りは皆服を着てるのに!?


「あ、あれ?」

そうだ。人の文化はまだないはずのファーリアでなぜ皆服を着ている?


その上建物があり、私も捕まり、魔法文化の発達した部屋でクマのぬいぐるみと一緒に裸で尋問されていた。


_異世界文化結構進んでるなぁ。

アリエス様はどこだろ?

裸なのも構わず、尋問にも答えずただそのことだけを考えていた。


「誰か着るもの持ってきてあげて。

そうよね?アンシャルのコスってこうなるわよね?

でもホントに脱ぐことなくないかな?

喜ぶのは男だけだよ?

それとアリエスのこと、知ってるのね?

詳しく聞かせてくれる?」


私は大理石の神殿の一角で、美人な僧侶風のお姉さんに尋問されていた。

_アンシャルのことわかるんだ。


「わかるよ?あと僧侶じゃない。これはイスベルク王国騎士団の正装なの」

なんで聞こえてるの?

「イスベルクは人の心を読む力に長けてるのよ。

気持ち悪いかな?」

いや、会話しやすいからこれでいこう。

「OK」


私のために王国騎士団の正装を一着持ってきた人が悲鳴を上げて顔を背けた。


「見てません!見てません!」


男の人で、若くてわりとイケメンだったが、私が何か言う前に服を置いて去って行った。


「流石にそれは失礼なんじゃないかな?

見ろとは言わんけど、もうちょっと何かあるんじゃないの?」


とお姉さん、、ではなくフラちゃんが言った。

「お?言うねぇぬいぐるみのクセに?」


「これでも私は女ですから!」


クマが胸を張って自慢した。

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