第2話裁かれない罪と報復
そして次の日の昼、……どうやらネットが大炎上している。AVに出るわけが無い人達が出ているAVが大量に売り出されたそうなのだ。……。まあ、うん。どうやら、ドッペルゲンガーとか、変身能力の奴に有名人とかの見た目に変身させ、○○似のそっくりな人達のAVとして撮影し、販売した物な様だ。そりゃ売れるかも知れん。AV女優はあくまで別人なのだから、本人では無く、現時点で罪に問うなら、肖像権の侵害くらいが関の山だろう。しかもそれは能力が有ると開示出来たらの話だ。洒落に成らない検案来たなこれ……侮辱罪とか不敬罪とかは当てはまるか?あくまで本人では無いと明記してあるし、(見た奴等と本人側がどう取るかはさておき)、事実関係上も実際に別人がやっている事でしか無いからな。取り決めを先にして無いと文句を言うのは難しい。他人に自分と似た見た目をしているから、特定の仕事をするなと強要するような物だ。あくまでこれは変身能力が考慮されていないならば、だが。
「……起きたの?」
「ああ、おはよう。今凄い事に成っているみたいだな。これを見てみ」
「……ああ、こんな事に成っているの。潰しに行く?協力するよ?」
「……それはちょっと、な。」
「これに賛同するの?それとも、ああ、そうだね、不味いね。介入は無しにしようか」
『私の能力的にそうしてもらうと助かります……』
『貴女も変身能力有る物ね。変身能力その物を忌避する方向に成っても困る物ね』
『…………』
『……何かしら?貴方、興奮でもした?』
『いやそれでそうですとか言ったらガチクズだろうが。見た目や体その物自体にのみに価値を見出す奴には厳しい話に成ったな。表沙汰に成らないだけで、知らない何処かで輪○を疑似的にされまくる様な物だろう。肉欲のみで誰かを好きだとか言っても、無価値に成るよ。恋愛って、独占欲的には感情とか精神とかそう言うのにしか意味は無くなるのかな』
『……先輩。……人格だけを好きに成るのも、それはそれでアレですよ。例えば好きな人だけに見せる素顔とかがそんなに好きじゃないなら別ですが。私なら皆さんに魅了と催眠術の耐性を付けられるので、付けるトレーニングをしましょう。ね?』
『……でも肉欲を求められる状況じゃ……そうしようか。何もして無い寄りかはマシか』
「感情なんて二次創作的には簡単に捻じ曲げられる物でしか無いですから、事実関係を重視しろ。としか言えませんね」
『変身能力の精度が何処までかで、対策は変わるわよね?見たままの物に変身する物なら、服や水着の下は想像で創られている事に成るのだから違う奴扱いで良いのでしょうけど』
『…………AVに出ている人と自分は違いますって証明に使えるのかも知れないけども、それを本格的に一般に露出なんてしてみ?後続はその通りに変身して来るぞ……』
『……ああ……公に公開出来る様な反証では無いわね……』
『それより、今は速く催眠術と魅了の耐性を付けましょう。リーティアさんはまだ処女ですよね?やって置いた方が良いのじゃ無いですか?』
『……アレだね。どこの知らない誰かに処女を取られるくらいなら、……って思うのは解るよ?……能力的にもし入れてきたら其所を壊死させて崩してやるけど』
『ひっ。勘弁してくれ……』
『流転と言うか、望む状態に対象の状態を変化させる。だから、それに必要な現象は必要無いから、どんな加工も何のその。なんだよ。でも、合金も合金の比率を知らないし、用意して貰った方が良いし速いから、いきなり独自なトンでも合金製装備は無理だよ』
『……まあ、それ系の知識を持っている様には創って無いからしょうが無いか……』
『……そう言えば、設定を変化させる事は可能なのか』
『あれは根底の設定文を増やしたと言うより、付属する称号が増えただけよね?』
『……増える基準が知りたいが、今回のパターンについてなら再現は難しいな……』
『……とりあえず速く耐性を付けさせたいのですが、場所を移動しましょう』
そして昨日同様鍵を借りて、学校の一部屋に移動し、内側から鍵を掛ける。そしてしばらくの間魅了と催眠術の耐性を付ける為のトレーニングを行った、が、我慢出来るかっ。と、成ってリーティアに襲いかる前に、鎮圧された。……まあ、ですよねー。
「まあ、自制心が無いのは責める所だけど、所でどれだけの魅了と催眠術やったのかな?」
『これは仕方ないと思います。何故なら耐性が無い状態の先輩に、何回も何回も重ね掛けしたので、能力としての耐性持ちじゃ無ければ、大抵耐えるのは不可能ですし』
『……なにそれ、魅了の重ね掛けって何よ?元の魅力は一定よね?』
『まあ、速い話、まずステータスに応じた成否判定がされます。それで成功したらそのまま魅了で、失敗したら、成功するはずだった可能性を蓄積した状態に成って、二回三回と魅了を行う事で、魅了成功率が蓄積して上がっていく仕様です。成功率が一パーセントでも有れば、一回目の成功率が一パーセントでも、最悪百回やれば百パーセント魅了を通せる事に成りますね』
『魅了成功率が完全に零でも無く長時間掛ければ魅了をほぼされるシステムね』
『そうは行きません。何十何百何千と同じ魔法を受けて、一切耐性が生えない事も無いと思いますから、耐性上昇が百パーセント無効に成る前に魅了を通さないと無理です』
『なら百回もやるのは現実的では無い事に成るし、流石に其所まで都合は良くないのね』
『設計者の思想が悪辣ですけど、結局は道具では無く、それを使う側が悪いはずです。……実際昨日の話的には召喚システムを創った奴は思想としては悪意や侵略を前提にしています。善意や守護を思想の前提に出来たなら、大多数に取っての理想的なファンタジー的な世界観のシステムを創るのだって可能なはずですから』
『ゲームやアニメを犯罪の原因扱いするような事って認識で良いのかしら?』
『実際、犯罪をやる様な奴が皆無で無ければ、キッチリとした対策を練り尽くした上でシステムを適用し無いと、初期は相応な混乱は有ると思いますよ』
『これは法の穴を突く奴が多過ぎって話で、召喚システム創った奴は関係無いのでは?』
『現状、召喚システムを創った奴は、戦争をする奴に武器を売る、いわゆる死の商人的な扱いされても仕方ないと思いますよ。……恐らくわざとでは有るとは思いますが』
其所に召喚時のエフェクトが大量に発生し始めた。
「流石にシステム側に危険視されたみたいだね。……でもこれはつまり」
「ええい、その話は後で良い。今は此処を乗り切」
強く立ち眩みを感じる。息が苦しい。幾ら呼吸しても足りない。辺りに酸素が無いのか?
「……仕方ないわね。物理変換をするわ」
「やる必要は、」
そしてリーティアが喋り切る前に俺の体は水に成っていた。呼吸も何とか成った。……体中の構造を変えられた様だ。……雷が辺りに満ちていく。
「もう。なんて酷いの?私がやればそれをやる必要性なんて無かったよ?」
「……やらなきゃ感電死していたわ。理論純水は電気を通さないし。能力で強化もするし」
その雷群についてなら直接は此方に何も影響していない。だが辺り側が壊されて行く。他の場所も壊せよな。敵が壊したって主張が通らなければ此方が弁償要求されかねんし。
「……耐えているだけではラチが空かない。これはどっから来ている?」
「遠隔操作攻撃みたいね。少なくとも近場にそれらしい奴は居ないわ」
「……くそっ、ひとまず雷のエネルギーを別の奴に変えてくれ。他の奴が来るまで凌ぐぞ」
「解ったわ。……炎が出て来たわ。酸素は無いはずよね?」
「別の奴を燃料にした炎だろう。エネルギーが他から入ってこない様に空間を流転させろ」
「わかったよ。少なくともシステム側の意向では無さそう。私達が直接消されて無いし」
ひとまず疑似的に結界が張られ、この部屋に起きる特殊現象は収束した。……あかんな。
「……蟻関連の奴が捕まって無いのだから、報復に来たって所かしらね」
「……洒落に成らねーよ。そんなの」
「さて、どうしましょうか?実際、ずっと結界に籠もっている訳にも行かないわよね?」
「……流石に何も準備無しで永続結界は無理か」
「……でかい結界を創った結果、その内側に犯人側も入ったら意味は無いし、だからと狭くし過ぎたら牢屋に入っている様な物だよ」
「……それでも良いから大きめな結界を創ってくれ。それで結界を破ろうとする攻撃が発生したなら結界の内側に犯人が居る事に成るから」
「……解ったよ。転移とかもさせない仕様で行きましょうかじゃあ海鳴さん。貴女のエネルギーを操作して、介して、川なり何なりを利用して、結界を創るよ。協力して」
「解ったわ。捕まえましょうか」
そして大きな結界が展開されたので部屋に張ってあった結界を解除する。攻撃は、来た。
「……さて、犯人の閉じ込めに成功したか。……他に協力を呼び掛けよう」
「あ、これは無理ね。速く全体に通達し無いと、敵のやった奴扱いで結構な奴から攻撃受けているわ。何も洗練されてない急造の結界にそれを耐えきれって言うのは流石に」
「……対応ミスったかこれ……」
其所に人が何人か入って来て事情を聞かれる。
「……敵に攻撃されたので、結界張って逃げられない様にしたのですが、攻撃されて破壊されたので、恐らくは逃げられました」
「状況的に普通なら信じない所だが、真偽を見抜く能力持ちの奴に聞かせても真実判定か」
「……危ねーな。何とかセーフか……」
「……他の人と、体が水に成っているのは説明して貰っても?」
「……三人とも自分で召喚した人です」
「お前本当に人間か?召喚された奴の質がおかしいだろ……」
「……人間だと言ったら人間です。出来たのも偶然かも知れないじゃ無いですか」
「では召喚出来たのは偶然か?」
「……少なくとも、思っていたより凄いのが来たのは確かです」
「……良いだろう。それならある程度の把握がしたいが、良いか?」
「嫌です。生命線なのですから」
「……仕方ないか。解った。今の所は良いだろう。後処理を手伝って貰おうか」
「……解りました」
「転生者か何かだと言う事は有るのかな?」
「……それは違う……転生かどうかは知らん。ラーマみたいに一切記憶を無しの状態で転生した。みたいに自覚のしようのない類いの言い掛かりは勘弁して欲しいけども」
「……なら何でそんなに上手く立ち回れるのかな?」
「……いや、今回の場合、俺だけなら詰んでいましたし」
「……ふーん」
「……さて、もう良いな?ひとまずこの部屋を元に戻そうか。ああ、これは先に断っておくが、復元形でも回復系でも巻き戻し系でも無いからな。ひとまず部屋を出た、出た」
そして少し待つと部屋が完璧に修復され掃除された様になった。
「どんな能力を使ったのですか?」
「要は指定した時点までの蓄積のリセット能力だな」
「……なんだ。只のゲームのセーブとロードの能力か」
「失礼な。これはそんなのじゃ無いぞ。今は対物限定だが、おい何いかぶしげに見ている?」
「そんな能力有るなら家屋群直ぐに直してくださいよ」
「……一応それは今はやれない状況だろうが」
「へいへいそうですね」
「……あのなぁ……」
「しかし、蓄積のリセット能力ですか」
「……此処で言う蓄積の定義は通常とは違う……が、説明はしないで置こう」
「……言われてみればある程度の破損も直されていますし、効果範囲内の行動結果もリセットですか」
「……只のパクリと、同じ題材の問いの別回答を提示しまくるのは話としては別問題だがね。そう言うのは商業的に金が絡んでも普通に成立するし」
「そうですね。報告としては遠隔召喚とをされて、現象の召喚をされて、攻撃されました」
「……ふむ。召喚テキストに召喚される場所まで書いたのかね?只でさえ長いテキストを書くのは難しいのだから、そう言うのをやるのは召喚される奴のレベル低下を招くが、下位の現象か精霊か何かを召喚して、現象を遠隔で起こしたって事で良いのか?召喚システムで召喚していたなら、部屋から逃げる余裕くらいは有ったのじゃ無いか?」
「……空気中の酸素を奪われて、それどころじゃ無かったので、失念していました」
「結果論とは言え、他に逃げていたら後処理の手間が更に増えていただろうしね」
「……しかし、ニュース見ました?」
「ああ、AVが云々って?アレを違法にするには変身等の能力を公的に開示する必要が有る。何せ、奴らを有罪判決にするための根拠としての物の根幹部分だからな。それ無しで有罪判決は、難しいから、そればかりはどうともしようが無いのだが」
「……」
「……ああ、すまん。女性も居る状況でこれはあかんな」
「解っているなら良いでしょう。今日はどうしましょうか?」
「……今日はAV関連の騒動の様子見をしよう。それとまずは遠隔召喚を試してみようか」
「解りました。じゃあ周りに話を通しましょう」
「……所で水系の奴を召喚したのだよな?利権争いはどうなった?」
「そこはご心配なく。大体は大丈夫な様なので」
「……そうか。案外大丈夫そうなら、何かしらの属性の奴でも召喚するか?」
「では毒系の奴はどうでしょうか?」
「……一定以上耐性持っている奴には無力なイメージが有るが」
「いえ、敵を倒す為では無く、味方の毒耐性を上げる為にです」
「……ふむ。敵に通じずとも召喚する価値は有るか。なんか他には無いだろうか?」
「他の奴が召喚していないであろう、隙間産業的な事を狙ってみては?」
「……毒系と言えば蛇。八岐大蛇は有名過ぎるから召喚している奴は居るだろうし却下として、……ちょっと調べてみるか……」
そして彼はスマホで調べる。
「流石に神系は避けるとして、……よし白娘子、いわゆる白蛇の精霊にでもしようか」
「ちょっと私もそれを調べるわね……これを見なさい」
「神系は御しきれないとして除外した場合、性能は手頃だが、召喚者側を殺しかねない逸話が有る奴はNGだろう。幾ら白衣美人が召喚したくとも、殺されかねないので、却下」
「……ぐぬぬ……」
「……他の毒持ち系に目を向けてはどうでしょうか?」
「……なら創作的なので、酩酊狙いの奴を……よし、ミードスネークにしよう。蜂や蜂蜜を良く食い、結果として体内で蜂蜜酒が出来ている設定で、それを攻撃に使わせよう」
「……自分で飲む気ですか?」
「……ちょっとくらいは良いだろ」
「毒を混ぜた蜂蜜酒を創る蛇を創るのですよね?……創るなら戦闘用と蜂蜜酒を飲む用の二匹を創るべきです。でないと、多分最初の方は禄に飲めませんよ?」
「確かに。よし。設定を煮詰めよう」
更に話し合いをしていて気付く。指定空間の蓄積のリセット能力と言うとアレに聞こえるが、要はゲームで例えるなら、指定空間のみに対した保存しておいた所へのロールバック能力なのだと思う。それで掃除されたタイミングにでもしたのだろう。そりゃ町全体には無理で、限定的には出来るだろうけども。しかし蜂蜜酒か。要は蜂蜜と水さえ有れば普通に創れるらしいが。相手を酩酊状態にする能力では駄目なのだろうか?これは一種の札束殴りでは?いや、珍しい強力な素材をふんだんに使った毒を使うのもそれと似たような物か。それが食用に転用するのも可能だと言うだけだ。俺は蜂蜜酒だけで無く、ハニーワインとかも飲んだことは無いのだが、……蜂蜜は何処から調達するのだろうか?原価的には毒として常使いするつもりなら蜂系の奴も創るべきである気がするのだが。それを提案した結果、発酵の為の酵母(本来は蜂蜜の中に元から有る場合も多い)と、蜂を蛇の体の血液中の赤血球や白血球などから生成出来る様にし、血液を一種の蜂蜜扱いに出来る様にして、血管内を蜂蜜の巣扱いに出来る様にすると言う案が出た……まあ蛇由来だと蜂蜜とはそもそも言わない気もするが、なんかこれ趣味が入っていませんかね?まあ、能力バトルと言う話で能力を考慮し無くて良くする戦闘なんて、わざわざ能力バトル物でやらなくてもやれちゃう話では有る。能力バトルを普通のバトルにしちゃう訳だしね。そして調べる。
「……あ、おい、待て、密造酒は違法扱いじゃねーか」
「何を調べているかと思えばそれですか。牛乳は違法扱いでは無いはずですよ?」
「……そう言う言い分にするわけか」
「そうなりますね。あくまで動物が作った物を貰って居ると言う体裁を取ることにします」
「でも、加工をこっちが完全にやったらアウトでは?そもそも蜂蜜酒もアウトかもだし」
「あー。よし。ならこうしましょう。体内の血液がアルコール入っていて、そもそも蜂蜜酒と同じ味がする様にすれば良いわ。毒はそれを素材の一つとして、別の奴と混ぜれば良いはず」
「ああ、そう言う感じにするのですか。そして公には血液を採集するのはどう説明します?」
「……血を使った料理……えっと。ブラッドソーセージとかが有るし、料理自体に使う、料理酒とかも有るわ。調理に使えそうだから、採集していると言えば良いはず」
「それで、大丈夫なら良いのですけどね。血酒は美味しいイメージが無いのですが」
「実際これが駄目なら召喚された奴が提供する食料品大抵駄目じゃ無いかしら?要は鶏召喚して、肉に捌いて使っても駄目って事よね?」
「……広義的にはそうなりますが、造る物のアルコールの有無が違いますよね」
「中毒症状の無い麻薬なんて物を造れる奴も造れるかも知れないわ」
「……自分の体験した事を麻薬が見せたなんの価値も無い物だ……扱いされるのはムカつくので、麻薬は例え使える機会が有って、それに副作用が無くとも使わないです」
「別に飲む前の事は関係無いじゃ無い」
「麻薬なんて隠れてやるもので、結果として後からやり始めた期間を聞く奴が居ても、麻薬と関係無い事まで麻薬と結び付けて、更に前からやっていただろ?と言われるだけです」
「言葉の真偽を見抜く手段が有れば、誤解はされないで済むと貴方が示したばかりだけど」
「……それはそうですが、……それの方式次第です。よくは覚えてない事を言う際にミスっても、それを根拠に全体的に嘘を言っている事に成りかねませんよね?」
「……あー。実際の事実と自分が覚えていた事の間で差異が有った場合、自分が覚えていた事を話しても、実際の事実からは誤差が有るとして、結果として嘘扱いされかねない?」
「そうなりますね」
「それは相手の能力の正確度が不足しているパターンね。規模の大きい所の場合、それは多分気にしなくても良いのじゃ無いかしら?」
「そうですか。密売されている密造酒はアルコール度数が高い場合が多いそうですが」
「アルコール度数が高ければ高い程、酒税の掛かる度合いが上がれば、脱税分を大きくするために密造酒がアルコール度数の高い物ばかりに成るのは自然な流れだと思うわ」
「浴びた相手に酩酊状態を起こすのを目的とした運用をするつもりなのですよね?最低限触れるだけで酔うレベルでアルコール度数が一定以上高くなければ成立し無いのでは?」
「食用として飲む際は水で割れば良いはずよ。大掛かりな機械無しでやるとか雑菌とか入りそうだけど、それはそうならない様に能力をすれば良いし」
「……それはそうですけどね……」
「とりあえず話は其所まで。さっき言っていた実験に移ろう。外に移動しようか」
そして皆で外に出る事にしたのだった。……スマホで調べ物していて意識が逸れていたせいで気付かなかったが、どうやら既に他へは連絡してあった様だ。まあ、それは良い。遠隔操作召喚はやるには召喚位置も記入し無ければ成らないはずなので、その分だけ他のテキストが削れて、同程度の量の召喚テキストを使って出した現象相手には大して通じなかろうが、召喚の最適化が出来れば、下位魔法現象連打位はやれるかも知れないし、召喚システムで間接的に大抵の魔法が使える可能性が有る。さて、どうなるかな……。
検証結果としては、遠隔操作召喚は可能だが、召喚する距離を自分から遠ざければ遠ざける程、基本的には威力が減衰する傾向に有る様だ。まあ、これは当たり前な話で、遠い場所への攻撃はその攻撃を届かせる為に使うエネルギーも遠い分だけ使うからだ。攻撃の現象の攻撃が相手に届く迄の射程距離を延ばす事にキャパシティーを割り振った結果なのだろう。直接攻撃なら威力に全振り出来たエネルギーが他へ運搬する事へも割り振られた結果、威力を出す為に使われるエネルギー総量が減り、威力が落ちる訳だが、……これだと結局は膨大なエネルギー量でゴリ押ししちゃえば大丈夫。と思うかも知れないので補足。渡されたポイントをステータスへ割り振る際の振り方の話をしているのであって、割り振りポイントが他より多いとか言い出すと論点がずれている訳だが、召喚システムによる召喚を自分でやった方が良い理由は、召喚された奴の此方への好感度と、他人が書く事に依る、勝手な設定変更防ぎ。単発的現象相手に好感度なんて必要無いし、代理させる事に依る勝手な設定変更も、書く内容をガチガチにして、変更出来ない様に設定してしまえば良いのでは?提案をしてみるが、設定をガチガチに変更不可な形にしなければ成らないと言う事が必要と言うことで、結果としてはそれが造れたとして、色々な状況で使える様な汎用性がなさ過ぎると言う結論に成った。……良いアイディアだと思ったのだけどな……。
「実際、星の半分を自分のシステムの支配下に置いたのは、選ばせる為か、単純にそれくらいしか力が無いのか?どちらなのでしょうか?」
「システムの都合と役目を精査すると、召喚された奴らの召喚システムを造った奴に対するシステムを使った叛逆を封じる意図が大きいとか言っている人が居ましたよ。召喚システムを造った奴が、卵が先か鶏が先か、的なタイムパラドックスでも無い限りは召喚システムが無くても生存出来る奴が首謀者なはずです」
「首謀者と主導者が別の場合も有り得るわね。……その場合既に他の世界とかの手を出しようも無い場所に逃げている場合も有るわ」
「召喚システムを造った奴がそれで全力の結果で有るなら良いですが、仮に全力では無く、後に残りの星の半分にも召喚システムを適用出来る場合、洒落に成らないのですが」
「リアルワールドストラテジーをやっている奴の大半のレベルが高く成っている所に、初期ステータスで無理矢理入らされる事に成る、か。残りの半分の星側に逃げても、そうなるなら、今の内にレベルを上げておくべきって事。じゃ無いと地獄を見る事に成るわ……」
「でも何で叛逆封じの仕様が有るのですかね?召喚システムが主導者持ちなら、対策やるにももっと根本的にやれると思いますけど」
「……なら、同じシステムの上に居ても、根本と成るエネルギーが違うから、ダメージを通せる余地が有るのかしら?」
「……それで通せるならシステムを自分側だけで使って、大量召喚した方がマシでは?わざわざ此方にカードを配る必要性は無いはずです」
「……なら、召喚システムを利用させる事自体が目的って事かしら?」
「……召喚システムを利用させる事の利益?仮に召喚システムにエネルギーを入れるにしても、それは召喚に使われて居るのでは?」
「例えば九割は召喚に使われていて、一割は召喚システムの主側に回収されているとか?」
「そんなにエネルギーを集めて何を……あ、召喚システムの範囲を広げる為でしょうか?」
「自転車操業したってしょうが無いわよね?エネルギーを大量に集めて何をするか。……システム拡張、エネルギーが大量に集まるのだから、それを使って一人ではエネルギー量的に無理なヤバいのを召喚かしら?」
「……召喚システムを使わなければ身は守れない状況を強いるのに、此方が召喚システムを使う事自体が利益に成る様にしているのかね?」
「……犯罪対処に能力を極力使うなって事ですか?」
「犯罪者側は普通に使うわよね?……皆は武器や能力を使うのにそう言うのが無しの素手のみで倒さなければ召喚システムを造った側の思惑通り……クソゲーよ。そんなの」
「……はぁ、いっそゲームならレベルドレインとか、能力の経験値リセットとか、ジョブの強制転職とか有るのですけどね」
「…………努力型のキャラが全滅するような物は止めなさい。洒落に成らなくなるわ」
「先行組に対して後続組が追い付く手っ取り早い方法って、先行組が先行して積み立てた物を崩す物を用意する事ですよね?なら、そう言う能力が造られるのは自然な流れかと」
「それは別に良いわよ?但し、相手の能力を無視して使える系は、相手の能力を使う能力を出されたら、能力の経験値全般をロストするわよね?それに能力その物を失う迄有るわ。まあ、先行組のアドバンテージ潰し、なんて、そう言うのをしてなんぼでしょうがね」
「……そう言う能力を使うなら、自分の能力全損も覚悟しろと言う事ですか」
「仮に耐性無視が不可能なら必要は無いけど、それは耐性積めば通じなくて終わるわよ」
「……うわぁ」
「議論としてはステータスでゴリ押しは両方のステータスが明記されている奴しか考慮する意味は無いわ。そうじゃないと水掛け論出来るもの」
「まあ、後出しの奴は前の奴より強い奴ですって言うだけで良くて、数値化が明確なのも、要はその数値化されたステータスの数値より強い物を提示すれば勝った事に成りますよね」
「作話的には過去の敵キャラを当て馬にしてそいつより強いとやるのは良く有るらしいわ。……多用すると初期の敵キャラの格が落ちしすぎるけど」
「ドラゴンとか良く当て馬にされますけど、格は有りますよね?」
「先人の数多の作品中での強者描写のお陰だけど、作品中で碌な戦闘力の提示が無いで倒された場合、そいつが設定上どれだけ強い設定でも、作中的には瞬殺されるモブと=よ」
「……扱いがデフレし過ぎですね……」
「描写無しの全知全能キャラ?瞬殺勝利しましたが何か?で勝ったのと同じに出来るわよ」
「……いやいやいや。アレですよね。雑魚を倒した後に他の人がその雑魚の設定を盛っているだけですよね、それは……」
「要は、何かしらの力の実演が無いと、作話的には会話文をそう言う風な上げ描写を書いただけの雑魚と同じとして扱えるって話ね」
「……中々に暴論ですけどね」
「ええ。だってこれ、要は雑魚を倒す場合でも似た話が作れてしまうって話だもの。別に上げ描写の内容を否定している訳じゃ無いからね」
「……アレ過ぎますが話がズレてるので戻しましょうか。召喚システムは召喚システムを利用しながら、何らかの媒体に文章を一発書きして、それを元に何らかの召喚を行う。その文章を書くにはエネルギーを持って行かれる。此処までは良いですよね?」
「まあ、良いぞ。それを言いだして何が言いたい?」
「……ぶっちゃければ、現象召喚って近接戦闘に直接使うなら、魔法陣を即席で造りながらそれで戦う類いの魔法使いに成りますよね?なら、召喚済みの奴に無詠唱で魔法使える奴が居たら、魔法を打つ手数では普通に打ち負けるのでは?」
「……遠隔操作召喚以外実戦運用は使用上の欠陥が出る事に成るな」
「召喚システムに対応している言語って何が基準なのですかね?」
「調べる限りは恐らくは使用人数や知名度、またはそれのどちらかは一定以上必要だと思うわ。でも、暗号系とかの事を考えるに、それだけでも無いかも知れないわね」
「なら、使っている人数の方を攻めるべきかと」
「基準がどの程度かに依るわよね?流石に大きな国が独自に使っているレベルの言語使用者数が必要ですなんて成ったら、ねぇ?」
「仮に小さな国程度の人数は必要なら、公式な小国の住民数くらい居れば十分ですか?」
「軍隊とかで使う暗号文字ならともかく、詠唱の省略が出来たら良いけど……簡単に出来る形で有るのも皆が皆省略出来ていそうでわざわざ有る意味無いわよね……省略の手法としてルーン文字は文字に意味が有り過ぎてシステム側に誤読されてもあれよね」
「それはさておき、他所に攻撃はされていたかが確認したいのだが」
「……ああ、つまり、無差別攻撃だったか、狙い撃ちの攻撃だったか、か。確かにそれは重要だな。…少しくらいしか派手な物は無かったが」
「……それは多分結界で防御した結果、他の場所に現象が逸れたのでは?」
「召喚システムの仕様と、さっき新人くんが言っていたのが正しいなら、ある程度は近場に居る必要が有ったはずで、少なくとも先の結界より外側には逃げているはずよね?」
「……ちょっとすまん……ああ、あった。要はGPSやビーコンのマーカーを付けられていたパターンだな。ひとまず壊して……問題は音声とかも拾えるかだが」
「それは多分大丈夫かと。……襲撃されたのは耐性特訓が終わって話していた所なのですが、全部把握していたなら、普通なら耐性特訓をやり終えるよりやる途中で攻撃を仕掛けるべきで、恐らくは音声を拾う機能は無いかと」
「だが、耐性特訓が終わったら来たか。エネルギーの感知を出来るなら、エネルギーをある程度使った後に使わなくなった=疲れて休んでいるって解釈して仕掛けてきたか?」
「そしたら夜寝ている時に来るべき……いや、新人に破壊行為をやった容疑を掛けさせたい目的的には、此方が出来る限り少人数で居る時にやるべきか」
「……なら多分また来ますよね?暫くはご迷惑お掛けします」
「探知の詳細条件が解らない限り、今は何とも言えないな」
「そうね。暫くは様子見が良さそうよ」
其所で他の場所に行っていた人が来る。
「さて、ミードスネークを召喚してきたぞ。人化も可能だ」
実情は血酒蛇なのに蜂蜜酒蛇と言い張るのか……。
「蛇の状態が今のそのままのサイズでは無いわよね?質量はどうなっているのかしら?」
「要は圧縮処理しているのだと。だから、人化している時は蛇としての能力が使えなくとも、むしろ蛇の時より防御力は結構高いらしい」
「独自で人化可能モンスターね。そうだと見分けられないと、暗殺に有用過ぎないかしら?」
「……まあ確かに。それも何らかの対策も考えとかないとだ……」
「……」
人化時は肉体が圧縮処理されていて全身が根本的に硬い?それだとモンスターが人化出来たとしても、その手法では性行為やってもなんかコレジャナイ感がしそうだ。
『……先輩?考える事はそれですか?』
『……う。今後の参考にね』
『要は圧縮処理以外の方法を使えば良いだけでは無いでしょうか?』
『……収納系能力と体中を変形出来る能力が有って、人化した際の体の余剰分を収納していれば行けるかも知れないけど、能力の常時展開が前提だしな』
其所で辺りが騒がしく成る。其方を見る。おいおい、恐竜を召喚なんてするなよ。……あ?恐竜に変形可能な人間?ディノサウロイド?恐竜人間?……ちょっと調べよう。要は恐竜が絶滅し無かった場合のIF進化後の姿の学説の一つね。まあ、恐竜に変形出来るとかがそっくりそのままのじゃ無いが、既に絶滅した種を召喚するのも可能とは夢が広がるな。
「恐竜人間の事はともかくとして、召喚システムを造った奴の造り方次第では、例え世界その物から追い出せた所で意味は無い。それどころか造り主が世界その物を発生存続させる前提に成っている場合、世界その物から要石を取り除く行為な上に、力を潰せてないなら、追い出せたその先で世界その物が再発生と再構築されるだけだろう。つまり、造り主がシステムを創る上で自分以外の物を利用しているなら、追い出すのには意味が有るが、完全に造り主が自前でやっているなら、それ単体では殺害行為としては成り立たない訳だ」
「でも今回の場合はエネルギー回収が目的なら意味は有るのでは?」
「エネルギー回収が目的ならエネルギーを削ると言う意味で有効だが、召喚システムが完全自前の場合は、一時凌ぎにしか成らないだろうな」
「……ちっ。流石に其所まで上手くは行かないか……」
「限定条件下でしか役に経たない能力を何でも有りの環境に持ち込んでも仕方無いからな」
「……特定条件下でのみ役立つ能力が悪いとでも?」
「特定条件下では使い道は有るのだろうさ。そうだな。要は手軽な代替手段が存在する内容の能力を、どんな条件下でも重宝する能力と比べるなんて傍目から見ればアレだろう?」
「……道具費用の節約には成りますよね?」
「折角どんな能力でも持てる場面で、その能力が無くても余裕で賄える程度の費用を軽減するのがメインな能力とか草も生えないな。能力の所有数限界が無ければ専門メタも良いけど。さて、ひとまずこんな所で良いだろう。飯食わないか?流石に腹減ったから」
「……そう言えば食べてなかったですね。では食べに行き……おう……災害地に被災者に対して配る配給なんて、現在の時刻的に配っている訳も無いですよね……」
「時計を見る限りは午前十一時過ぎくらいか。十二時に配給が有るはずで、後一時間か……はぁ。ひとまず実験やって時間潰そうか」
そして色々な実験を進め、配給を受け取るのだった。飯を食べつつ考える。召喚システムに入力した召喚テキストは原則後からの変更は不可能。……ならそれを可能とするテキスト変更の能力が有れば?……はぁ。それは確かにチートかも知れないけど、他人に能力か何かで強制的にそれを使わされたら、そいつの能力が総崩れを起こしかねない。……一定以上強い能力を創るなら、それが自分に向けられる事自体も考慮しないと不味い……か。
「すみません。今良いでしょうか?」
其所には先程のミードスネークが人化した女性が居た。
「ああ、はい。要件はなんですか?」
「貴方も召喚システムで産まれた存在と言う事で宜しいでしょうか?もしそうなら……」
「……ああ、なるほど。だが、残念。俺は召喚システムで召喚した奴に体の構成を変えられただけの元人間だよ。召喚された奴同士で仲良くしたいって言うなら、其方を呼ぼうか?」
「ご配慮感謝します。では宜しくお願いします」
そして三人を呼ぶ事にした。
『鈍いですね。少なくとも、私達より先に先輩に話し掛けたって事を認識してください』
『……偶然先に俺が見付かっただけだろう』
『ならなんでさっきの時に済まさなかったのですか?
『……そうだとしても、さっきあんな事考えた手前……な』
『……はぁ。後で試して欲しい事が有るので、それでチャラにしますね』
『……解った。じゃあ出て来てくれ』
「先輩は本当に鈍感ですよね」
「……否定はしない。……確かに利益は有ったけど、あの時軍隊蟻に対抗しようとし無ければこうは成らなかったし、確かにある程度の事は出来た事は出来た。……アレかな。要はイジメをやられた奴を庇ったら自分がイジメを受けた的な状況だろう?これは」
「……好かれる事が罰ゲームだとでも言うのですか?喧嘩売っているのですか?」
「そう言う訳じゃ無いけど……今は良いや。ひとまず待たせちゃ悪いし、速く戻るか」
「……解りましたよ。良いですね?」
そして俺は承諾し、元の場所に戻り、残っていた飯を食いながら交流を見守るのだった。さて、体を水化出来たのだから、変形も後で試してみるか。いや、そうだな。髪の毛一本だけを変形させてみよう。それくらいなら大丈夫だろう。変形が上手く行った。よし次は元に戻して、よし。問題無し。体中を変形出来れば、かなり自由度は増すだろう。純水は電気を通さない。その理屈なら、他の物を混ぜれば電気を通す様に成るはず。浄化能力が有るのだから、そうはされないように一応は出来るが。全身が水なのに感覚器官はちゃんと機能している。うーむ。一定以上の変形が不可なら、既存の体の構成全てを水で代用しているだけと言える。体中を別器官に置き換えられるなら、三百六十度の視界確保も可能なはずだが、問題としては、仮にそう出来たとして、神経の構成をそんなに簡単に出来るだろうか?慣れろ。と言うのは解る。数をこなして造れる様にすれば良いだけなのだし。
問題は其所じゃ無くて、異形の体に体内構成全てを創る所まで考える必要性が有る事だ。なら視神経を増やせば良いってか?脳に一度に入ってくる情報が増える訳だが。慣れろ?いや、過負荷が来るが大丈夫か?ってなら、それが出来る様に鍛えろ。と言うのは解るが、独自な異形の神経構成をノーヒントで創れとか……ねぇ?即席で出来る程まだ知識がねーよ。召喚システムで召喚された奴の能力でなら、そう言うのもカバーされているのだろうけれど。そう言うのとは違うしね。いっその事体の定義を曖昧にするか?うーむ。海鳴はともかくとして、俺には精神は一つしか無い。皮膚接触でも酔える様なアルコールとか、精神異常を引き起こす系能力には水に体を変えられた所で余り意味は無い。これは精神その物迄水化した訳じゃ無いしね。それは浄化能力でカバーするにしても、なんか違うんだよなぁ。あくまで体中が水に成っただけ。だから単純な物理攻撃はともかくとして、特殊なアプローチ相手には耐性を積めた訳じゃ無い。満を持して考え尽くして自分からそうしたのにこれじゃアレだが、こうした目的としては緊急避難用のそれで有るのだから、しょうが無い。あの条件下でなら外に行けば空気がまだ有った可能性も有るが、そうでなかったならアレだった訳だしね。ん?あ、思い付いた。体の水以外の外部の水も操れれば自由に変形可能な装備を獲た様な物では?うーん。海鳴程自由に変化出来たら、胃液、いわゆる胃酸を体中の水に混ぜるぐらいの事は可能な気がする。全身全てを水で造れるなら、胃液や血液だって可能なはずだからな。色々と試すか?
「何考え込んでいるのですか?先輩」
「……貴方、召喚した人に先輩呼びを強要したのですか?」
「いや、そんな事はしては居ないが」
「……私達に貴方に都合の良いことを喋らせて楽しいですか?」
「論点が違う。楽しいとか楽しくないとか、勝ちとか負けとか、そんな話では無いから」
「心にも無い発言の行動をさせれば勝ちなのですか?」
「いやだから、そう言う話じゃ無い。それは只の人形遊びだろうが。完璧にそうしたらさ」
「……召喚システムをどう思って居ますか?」
「……夢も確かに有るけれど、業が深いシステムだな」
「私達の立場からすれば、基本的に創り主に対して好意を向けるなんて論外なのですよね」
「……ああ、そう言う風に創り主側が仕向けた可能性を考えるなら、そうだろう。でもその為に召喚システムは召喚者の感情を召喚する際に見るのだろう?」
「……なるほど。それを理解はしているのですね?……なのに関係性は悪くは無さそうですね。まあ、今は良いでしょう」
「はぁ。そうかい。これは好かれていればその方が良いって話じゃ無い気がするけども」
「……好かれるのが嫌だとでも?」
「……そう言う話じゃ無くて、単に好かれていれば良いのならば、植え付けられた好意や忠誠心だけしか無いのでも良い事に成るけども」
『……自分に都合の良い存在を奴隷の様に従わせるのは否定派と言うことですか?』
「……なんて言うかな。俺は別に人形遊びがしたい訳じゃ無いからな。結果としてそうなるのでは無く、存在その物すら含め何もかも全てお膳立てして、従わせるやら、奴隷にするやら、……それだと単に豪華なだけの人形遊びだよ。そんなのは」
「光源氏って知っていますか?」
「……要は紫式部の作品の源氏物語な。娘を自分の理想的な感じに成るように育てて、自分の物にする系の元祖のアレか。……そう言う気は無い……と思うが」
「先輩は途中迄、それを知らずに創っていましたから、その心配は無いはずですよ」
「……私はどうなるか気になるのだけど、良いかな?」
「だからそう言う感情を抑えて、それに関する様な設定を書かなかったのだってば」
「……それはそれでなんかムカつくのだけど?」
「理不尽な……」
「……先輩。わざわざ自分から望んで創る形なのに、貴女の事は興味有りませんってやるのはツンデレって言いますよ?」
「……あれは必要性に迫られてだろうが……そう言うのとは違うかな……」
「後で詳しく教えて欲しいかな?」
「……そうだな。そうしよう」
「どんな理屈を並べようが、結局はそれを行う者次第と言うのは解りますよね?」
「ああ、そうだな。一定の域を超えない経験値量のブースト能力なんて、長い目で見て、現時点のみで言えば、自分より強い相手に直ぐに勝てる様に出来る能力じゃあ無い。いや、相応の鍛錬を積められる時間が有るならば話は別だけどさ」
「相応の準備をすれば、最強と言う能力は、敵役だと、準備が整う前に殺されるのはザラに有りますよね」
「殺し合いの関係の敵がそれなら鍛錬出来る暇を与えたら自分より強く成られて殺しに来られるし、格上と戦う=敗北って成るような奴なら、そうしなきゃアレだろうし」
「アニメキャラとかは創らないのですか?」
「……どう考えても一定以上の強キャラは召喚しても御しきれないのですが、それは」
「つまり召喚した奴にマウント取りたいと言うこと?」
「……それはマウント取りたいと言うより、召喚した際にそいつに暴走されたら洒落に成らない的な意味だな。……あ、まさか、邪神を創る奴が出たりし無いよね?」
「どう考えてもそれには召喚に使用するエネルギーが足りませんよ」
「……ハハハ。そうだな。今は確かに大丈夫だ。今は、さ」
召喚システム構築した奴の目的がそれなら洒落に成らないのだが……。
「では、召喚の上でエネルギーが何処で使われているかを調べるのはどうでしょうか?対策するにもそれが解ればだいぶ違うはずです」
「……解った。他に話を通す事にするよ」
はぁ。さっきの言い訳。……要は日常系の特殊能力無しの奴を召喚するのに使うのは問題無いのだよな。……まあ、設定が力を実際に持つのだから、他の奴の設定を創る奴に混ぜるのは嫌な予感がするけど……。なんか、ね、キメラを創る様な感じに成るような?
『ミードスネークの彼女の設定は皆で考えて創りましたが、問題は無かったですよね?』
『……それは、そうだが、レシピが同じなら、別人が創った人も同一人物です。……なんて、仮に出来るなら、色々と不味いよ。それなら設定文の完全バレってかなり不味いか?』
『そもそも召喚に使うエネルギー側が違います。基本的には心配はする必要性は無いかと』
『召喚システムの管理側は?エネルギーは此方が召喚システムを使うなら貯まるよね?』
『……だからと召喚システムを使わないのは今後が困りますよね?』
「……黙り込んで如何したのですか?」
「ちょっと考え事を。さて、話を通しに行こうか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。