第11話 卒業式

 「さっぽろテレビ塔」の下で、僕とコユキは17時に落ち合い、そして其処でコユキが僕の左手を握り締めて来た。


 この時、僕の心臓の鼓動は高まりドキドキして居たのだ。しかしコユキが、僕の事をどう思って居るのか、僕は確認する事が出来た。


 それは先日、コユキから送られた「LINE」のメッセージにハートマークが付いて居たからだ。


 そんな事を僕が考えて居ると、コユキは僕にこう告げたのだった。

「タケシ先輩と一緒に、『雪まつり』を観るの楽しみにしてたんです…」


 この言葉に対し、僕はコユキにこう言ったのだ。

「僕は今年、千葉大学を受験するから… しばらくは、『さっぽろ雪まつり』を観る事も出来なくなると思う…」


 こう僕がコユキに言うと、コユキは僕を勇気づけるよう、こう言ったのだった。

「タケシ先輩! わたし来年、東京の芸大目指します……だから、先輩も頑張ってください」


 こうして二人は、会場である大通り公園に向かい、手を繋ぎながらライトアップされた「さっぽろ雪まつり」の雪像を観て居たのだった。


つづく…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る