アリストテレスに言わせると、幸せとはその人が死んだ後で周りの人が判断する類のことだそうです。それくらい定義づけるのが難しいものですが、個人的に思うのは、健康のようなものではないかということです。
　人は自分がどの点で不健康であるか（肩こりがひどい、持病の頭痛がある、腰痛がある、老眼だなど）ということは意識しても、自分がいかに健康であるか（足首を捻挫していない、手首を骨折していない、心臓病を患っていない）ということはあまり意識しないように思います。幸せもそういうものじゃないでしょうか。……と思ったのですが、よく考えてみると、恋する乙女を筆頭に、「今、自分は幸せだ！」と感じている人も世の中には結構いそうですね。
　残念ながらそういう高揚感と無縁な生活を送っている身としては、今ある苦痛（主に対人関係によるもの）が取り除かれて、状況が悪化することさえなければ幸せかな、などと考えてしまいます。別に今以上にお金が欲しい訳ではありませんし、恋人とかむしろ要りませんし、美味しいものといったらスーパーで買う刺身を食べられればそれで満足ですし、行きたいところも特になく、小説を書くくらいしか趣味もありません。熱烈に何かしたいとか、何かをして激しい感動を覚えるとかはありませんが、そういう穏やかな日々を積み重ねていけるなら、それはきっと幸せなことなんだろうな、とそんなことを思っています。
　面白いテーマだったので、つい駄文を書き連ねてしまいました。すみません。