勿忘草


 ふと 目を覚ますと

 薄明かるい 光

 白いカーテンが 微かに揺れて

 窓を閉め忘れてたことに気づく


 今何時かな って時計を見て

 まだ全然早いって

 毛布を被る


 そういえば

 食べ頃のぶどう

 夢うつつの中で思い出す

 軽く身支度して 窓を全部開けて 掃除して

 だんだん明るくなって行く外を眺めて

 お腹空いたな と思う


 遠く離れた知らない街に憧れて

 いっそこの町を飛び出してみようか なんて

 出来ない

 想い出詰まったこの場所

 離れられない


 ぶどうをひとつ 口に入れ

 あなたのこと 思い出したの

 もう涙は出ないけど

 懐かしくて笑っちゃう


 いつか帰ってくる 信じてるよ

 だから私 いつまでもここで待ってる


 小さなぶどう ひとくち

 もうすぐ 街が起きる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る