勇者ギルドアカデミー
kakinige
プロローグ
むかーしむかし、ある所に、悪さをする魔物の王様が居ました。
魔物の王様は、魔物の生活圏を広げて私腹を肥やす為に、人間に戦いを仕掛けました。
人々は生活の場を奪われながらも、魔物の王様がとても強かったため、誰も反抗しようとはしませんでした。
このまま人類は滅びるのか──誰もがそう諦めかけた時、一人の若者が立ち上がります。
若者は、一本の光輝く剣を手に魔物の王様に戦いを挑み、見事コレを打ち倒しました。
王様を失った魔物達は大人しくなり、世界に平和が訪れました。
人々は若者を勇者と称え、そしてその剣は”ブレイブソルド”と名付けられました。
勇者はある大樹の根元にその剣を封印すると、どこかへと去って行きました。
あれからより1000年。
現在、人々は魔物から生活圏を取り戻し、その繁栄は魔物の王様が現れる以前を越えるようになりました。
しかしその結果、住処を奪われた魔物達が、人が住む街を襲う様にもなっていました。
その為、魔物を退治するエキスパート”勇者”を育成する為に、学校が創設される事になりました。
その名は「勇者ギルドアカデミー(通称”勇アカ”)」。
そしてその中でも、一番最初に作られた学校「勇者ギルドアカデミー・ソルディア校」には、勇者が残した伝説の剣”ブレイブソルド”が、今もなお封印されているのです。
”いつか魔物の王様が復活した時、勇者の資格を持つ者の手によって、再び封印は解かれるだろう”
その伝説と共に──
────絵本『勇者の剣”ブレイブソルド”』より抜粋
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