6.長いしっぽ
僕の彼女は今、うまれた。
小柄なお母さんが涙を流している横で
看護師さんに抱かれた彼女は大きな産声をあげている。
小さく弱々しい命。
産まれたばかりの彼女は懸命に生きる。
声をあげ、体を動かして
自分は生きていると知らせる。
お母さんはその知らせに安堵して深い呼吸を繰り返している。
お父さんも知らせを聞いて安堵したようで
お母さんの手を握りながら頬を緩ませた。
これから彼女の22年間がはじまるのだ。
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