感想文100本ノック21.砂時計と旅する機構/矢向 亜紀

タイトル 砂時計と旅する機構(完結済・11万字)

作者 矢向 亜紀


https://kakuyomu.jp/works/1177354054890851773

今回は1章の感想とさせていただきます。


あらすじ

32歳女性。自身の事は全て分かってると思っていた。しかし、3ヶ月前唐突に肉アレルギーを発症した。

仕事を辞めた。夜自由に出歩いても咎める人はいない。三十分の隣駅までの往復の筈だった。

でも、帰ってきたマンションは全く景色を変えていたのだった。止まらない砂時計。黒づくめの男はその中の1つを私の砂時計だという。

停滞した時間を、解きほぐす為「だれか」に使ってもらわなければならない。ちょっと不思議現代ファンタジー。


感想

まるでエッセイの様に、物語が始まる。

アレルギーになり、仕事を辞めた主人公。時の砂時計。夜。不思議な雰囲気を纏った話だ。

赤ちゃんがいて、産休中なのに主人公の話を聞いてくれる会社の同期。優しい人が側にいる事は良い。


実体験で似たような経験がある。産院から娘と帰宅した日、そろそろ寝ようかと思ったところで友人が自殺を仄めかしているから迎えに行ってくれと旦那が駆り出されたのだ。共通の友人である。

家が1番近いからという理由で、心配な事もあって迎えに行った。

心配した仲間のうちの1人が警察に通報していた。警察到着より早く保護できてしまった為寝不足の頭で興奮状態で警察に電話してしまった事をよく覚えている。

長々身の上話をしてしまったが小説を読んで思い出した事でありまたこれも1つの感想だから仕方ない。

自分にとってのどうでもいい1時間が、誰かにとっては、喉から手が出る程欲しい1時間なのだと考えさせられる1作だった。

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