第272話 本編完結

俺とノエルは顔を見合わせた。


そのキーホルダーはもちろんノエルの手作りではなかった。


それはあるはずが無い。


そのキーホルダーは本物の四つ葉を閉じ込めてある訳ではなく、四葉の形の金属で出来た物だった。


だけど、数ある宝の中で、四葉のクローバーのキーホルダーをわざわざ選ぶ人間が、地球上の、しかもこんなに限定された地域でいるのだろうか?


これは偶然なのだろうか?


しかし偶然しては出来すぎている!


俺は中に入っているメモ帳を取り出して見てみた。



― 10th Nov 2018 Rui Kinoshita

 夢に出てきた君をずっと君を探してる。連絡下さい。ruikinoshita@******



「なんじゃコリャ!」


俺は呆れて笑いが込み上げてきた。。


まったく類らしいと言えばそうだけど…。


ノエルはツボに入ったようで、さっきからお腹を抱えて大笑いしている。


月曜、学校に行ったらとっちめてやろう!


早速、旭にも報告しよう。


きっと大笑いするだろう。



ノエルはさんざん笑いまくって、涙を流した目でこっちを見た。


俺もノエルを見て笑った。


そして俺たちは手を繋いで展望台へ行った。


真っ赤な夕日が街を染めていた。


夕日の向こうに、じーちゃんや澄子さんの姿が見えた。。



大丈夫。


俺たちは大丈夫だよ。


だからずっと見守っていてくれな。


夕日の向こうでじーちゃんたちが微笑んでいるような気がした。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


※本編、これにて完結です。次回から番外編を連載していきます。




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