第12話


 昼までに戻って来いと言われていたので、もう少し宝探しをしてみたい気持ちはあったが、施設に戻ることにした。


四葉のクローバーのキーホルダーは、スマホに付けた。


 施設に戻ると入り口の前ですでに全員勢ぞろいしていた。


自転車を貸してくれた石田さんがじーちゃんの車椅子を押して来ていた。


「どうだった?街中散策できた?」


石田さんが俺に聞いた。


「お城に行ってきました。」


「そっかぁ。あの辺、緑も多くていいよね。」


石田さんは俺のために街の観光案内を持ってきてくれた。


「小さな街だけどけっこう見るとこあるからまたおいでよ。」


「はい、また学校の休みのときに来ます。じーちゃんからの頼まれ物もあるし。」


そう言うと、じーちゃんは肘で俺を突いて、「内緒だぞ!」と目配せをした。




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