女流詩編

第19話 六畳いっぱいの涙

僕は泣いています　ベッドのうえで

天井のきみの笑顔が

僕をメタメタに切り刻むから

ハートが痛すぎて泣いています

「痛いのはテメーだ！」

と、世界がののしるから

耳をふさいで

エビさんになって泣いています

この部屋はきみで埋め尽くされている

この部屋はきみで溢れている

僕はきみで埋め尽くされていた

僕はきみで溢れていた

何回もきみに逢いに行ったよね

正確には627回

きみはいつも可愛くて　明るくて　優しくて　懸命で

眩しかったよ

ほんとに元気を貰えてたんだ

生きる勇気を貰えてたんだ

だから

全力で応援していたんだ

本当だよ

本気で　全力で　全財産だよ

きみとお話出来る時間は短いから

伝えきれない想いが

まだまだいっぱい残ってた

少しずつ少しずつ

通じ合っていく筈だった

僕たちを

育んでいく筈だった

なのに！

こんな仕打ちなんて！

ひどい

非道と書いて　非道いです

イケメン若手俳優と出来ちゃった婚ですか

アナタもタダのビッチアイドルでしたか

オタクなファンは　もう洋梨ですか

それでも僕は

きみの笑顔を切り刻み返したりしません

それでも僕は

きみを祝福するでしょう

でも

今は

・・・恨ませて！

傷ついたかわいそうな僕の為に

女々しく泣かせて

きみと僕だけの

この　六畳のお城で