第13話 夢を追う男
今、何ラウンド目だ?
空振りし続けて
もう
肩が抜けそうだ
脚が、
もつれてきたぜ
俺の夢はすぐそこにある
手を伸ばせば
もう少しで
もう少しで・・・
もうやめろ
と
ヤジが聴こえる
無理だ無理だあきらめろ
誰かタオルを投げてやれ
・・・うるせえ!!
夢の気配が紛れるじゃねえか!
今
気を散らされてたまるか
自己流パンチ
自己流ステップで
必死にゆらゆら
空振りダンス
俺の姿は無様だろうよ
観ちゃアいらんねえだろうよ
だからなんだ!
リングに上った瞬間から決めていたんだ
自分からは降りないと
そら、
気配が動いた!
畜生!空振り!
・・・かすった!
こっちか?!
夢の気配は
確実に此処にある
たとえ傍からは
俺ひとりが踊るリングに見えても
溢れ出して溢れ出して
とめどないものがあるんだ
溢れ出して溢れ出して
とめどないものがあるんだ
これが
才能でなくて何だ
これが
才能でなくて、 何だ!
自分が認めなくて
誰が認める
自分が信じなくて
誰が信じる
迷うな
止るな
潰れるな
水を被り
気合を入れ直して
前を睨む
誰も知らない誇りを胸に
前へ
征け
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