第73話 ようやくの交換 その2
守護の盾は死に戻り防止と防御力重視のため。
守護の槍は予備(非常用武器)兼ステータス反映狙いで交換することに決めた。
守護の短剣はイベントの時にナイフがあったら便利だなーと思ったんだけど、必要なポイントが同じでも守護のナイフには『対象へ攻撃時に確率でクリティカルヒット効果』がついてないし、ベルからこれもかなりの確率でクリティカルヒットになると思うって言われたのも大きいくて守護の短剣にした。
とりあえずは短剣を振り回してスキル取得を目指す予定って感じかなー。これに関しては便利使いする気満々である。
そして、守護のブーツは守護の盾を装備した時のAGIー3をカバーできるAGI+10だったから交換決定。
守護の手袋は軍手よりVIT+3、DEX+3つくからっていう単純な理由で、畑仕事の時は軍手と使い分ける予定だよ。
守護のローブは……守護の槍とかオリジナル武器を使う時に邪魔になるかなー?って思ったんだけど……まぁ、メインは盾と投擲ナイフ、石、短剣でいく予定だし、水魔法もあるしなんとかなるかなーって。ダメならダメでまた考えるつもり……
それになんといっても守護のローブはレア度:SRだし、MP微回復が付いてるなら交換した方がいいでしょー!
畑の水やりするだけならローブを着たままでも問題ないし、MPの回復が早くなったら今までより広い範囲で水やりができて、グランツさんのお手伝いもはかどるって寸法なんですよっ!
ヘアピンをやめて守護のバンダナにしたのはポイントの残り具合から。
初級ポーションを3本交換するよりもいいと思ったから、守護のバンダナに決めた。
だって……ポーションは使ったらなくなっちゃうけど、守護のバンダナは耐久値がなくならない限りずっと使えるもんねー!あと、体に触れていればどの部位でも装備可ってなってるから腕や足に巻いてもいいし自由度が増すかなーって。
守護の胸当ては悩んだ末にやめておいた。やっぱり、バーバラさんの花柄エプロンがあるからね。
多少、防御力は落ちるかもしれないけど元々死に戻る前提だし、花柄エプロンへの愛着が勝ったってことで……け、決して悩みすぎて面倒になったわけじゃないんだからねっ!
その分はアクセサリーとか他の部分でカバーできたはず……多分。きっと。そうだといいなぁ。
「ねぇ、ベル。ふと思ったんだけどさぁ……このイベントの交換期間が終わったら同じような格好したひとがたくさん増えそうじゃない?」
「いやー、そうでもないと思うよ?ゲリライベントに参加できなかったプレイヤーもそこそこいるはずだし、イベントの上位入賞者でもない限りはそんなにたくさん交換できないからねー……ま、誰かに貢がせたなら別かもだけどさ……いたとしても少数でしょ」
それと、意外にもポイントを装備に使うプレイヤーはそこまで多くないらしい。
特にガチ勢とか攻略組って呼ばれるひとたちは普段からこだわった武器とか防具を使ってるプレイヤーが多いから、イベントで交換できる守護シリーズでは物足りないんだとか……シュウ達のクランにいる生産組のひとたちも素材さえ集まれば、守護シリーズよりすごいの作れるってことらしいよ!すごー!
ただ……理想が高い分、望むものを作ろうと思うと素材採集がすごく大変って話だけどね。
「そっかー。そうだよねー……交換一覧には転移陣とかスキルポイントがあるんだもんね」
「まぁねー……そっちに流れるプレイヤーも多いんじゃないかな。スキルポイント節約生活のプレイヤーなんかはこの機会に欲しかったスキル取得したりスキルレベルアップさせてると思うし」
「へぇー……やっぱ、スキル構成って重要なんだねー」
「だね……あ、そういえばたまーにだけど、イベント限定の装備が販売所に流れることもあるなー」
なんと、こんなところにも転売屋さんがいるとは……
「……はっ!それって手に入れられるのイベント限定じゃなくなるじゃんっ!わたしの限定とか割引に弱い女の子なアイデンティティがーっ……」
「まあまあ、落ち着いて。販売所に流れてもすぐに売り切れるか、ものすごい高値らしいから……ただ、前々回くらいのイベントの装備とかは割安で出てくるんだよね」
「えっ、そうなの!?」
「うん。何個もイベントに参加したりするとその頃にはもっといい装備がゲットできたりして売りに出すみたいだよ?」
それなら、わたしでも探したら見つかるのかなー?
「ま、高値を付けていくつも出品して、それが管理AIに不適切だと判断されると出品や使用許可が取り消されるっていうから転売目的で販売所に出すプレイヤーもあんまりいないし、前々回くらいのイベント装備だってほとんど出てこないんだし、そこはイベント限定扱いでいいんじゃないかな?」
「むー……そういうことにしておくかー」
仕方がない。わたしのアイデンティティのためだっ。
「リリー……そのアイデンティティとやらより、もっと色々あると思うんだけどなぁ……」
「え?」
「いやー……うん。気にしないで大丈夫」
「……わかったー」
よし!早速、装備してみよーっと!……ごそごそ。よいしょっと……
あ、装備だけど……ワンタップするだけで『へーんしんっ!』とかそういう機能はなくて、ちゃんと自分で着替えるんだよ?
ちなみに今回はシャツとかズボンの着替えはないけど、不特定多数のひとがいるところでズボンとかを着替えると衛兵さんに怒られたり、場合によっては牢屋に入れられるんだって……アウト(注意される)の線引きは下着姿らしい。
注意で済むか怒られるかは友好度にもよるらしくて、同じような状況でも普段から門を通る時とかに挨拶をちゃんとしてたり、街のひと親切にしてると軽い注意で済んで……横柄な態度とかで接してたひとはここぞとばかりにがっつりお説教されるんだってー。
あと、牢屋に入れられちゃうくらいの変質者になったら運営からもペナルティがあるって話。やっぱりペナルティにも普段からの態度とかが重視されるみたい……うん、牢屋に入るような事をするつもりはないけど普段からあんまりひとに迷惑かけないようにしよう。
ホームや宿の部屋で着替えるのが常識……まぁ、リアルでも不特定多数のひとがいるところで下着姿で着替えたりしないし、それと同様に着替えの場所を判断すれば問題は起こらないと思ったらいいみたい。まぁ、転んでパンツが見えるハプニングとかではもちろん怒られたりしないよ。
とにかく公共の場では気を付けましょうってことだね。
そういえば、下着姿で思い出したんだけど……最初にR指定を決めてくださいってあったじゃん?わたしは最高でもR15設定ってやつ。
あれってグロ設定(腕を切られても断面がフィルターがかかるとかデフォルメされるとか血しぶきがないとか)って意味かと思ってたら……それだけじゃなくて、R指定によって装備を全部脱いでもタンクトップとショートパンツを着ている状態(R12設定)がデフォルトとかシンプルな下着姿(R15設定)、全裸(局部モザイク、R18設定)とか違うんだってー。
わたしは1番低くしてあるからタンクトップとショートパンツだね。
なんでそこまで違うのかといえばビキニアーマーとかふんどし、ブーメランパンツっていう際どい系の装備が色々とあるからなんだってー。
つまり、自分のR指定の設定によっては装備できないものも存在するってことだね……装備したいかどうかは別としてだけどさー。
でも、下着姿は衛兵さんに注意されたり怒られたりするらしいのにビキニアーマーとかブーメランパンツのひとは捕まらないんだね?
……ブーメランパンツだけで街をウロウロするとか変態にちょっと足を突っ込んでそうって思うのはわたしだけなのかな?……判断基準が知りたいような知りたくないような……
「ま、いっかー」
だって、わたしにはブーメランパンツとかふんどしを装備する予定ないもんねー……よって、気にする必要なしだね!
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