第2話 キャラクターメイキング
『Select Life Onlineの世界へようこそ。わたくしサポートを担当するナビと申します。よろしくお願いします。まずはプレイヤーの名前を決めてください。これは後から変更することは出来ませんのでご注意ください』
「はーい。よろしくお願いしますね!プレイヤー名はカタカナのリリィで!」
由莉奈だから百合でしょ……名前からそのまま取ったんだけど……
『その名前は既に使用されています』
かぶったらだめなんだ……うーん……
「えー……じゃあカタカナでリリーは?」
これもだめかなー?
『プレイヤー名:リリーでよろしいですか?』
これでもだめだったら、まずひらがなを試すでしょー?それもだめだったらものすごーく適当につけるしかなかったから、よかった。
「はいっ!」
『かしこまりました。プレイヤー名:リリーで登録完了しました。次にゲーム内で自分自身となるキャラクターの見た目を設定してください。ただし、性別は変更不可、体格は大きく変えるとバランスが取れなくなり感覚が狂ってしまう可能性が高くなりますのでオススメしません』
「んー、じゃあこのままで」
『かしこまりました。ただいま測定中です。その場を動かないでください……測定完了しました。次に種族を決めてください』
人間、エルフ、ドワーフ、獣人、竜人、妖精、天使や魔族、スケルトンなどたくさんの選択肢がある……スケルトンってモンスターじゃないのかな?……ああ、1部のモンスターも選べるのか。ふむふむ、その場合はプレイヤーの表記を頭の上に出すことが出来て街にも入れるって。表記を出さないとNPCに攻撃されることもあるみたいだね。
あとは人間と獣人のハーフとかエルフとドワーフのハーフなんかも選べるみたい……沢山ありすぎてよくわかんないし、人間でいーよね?
「えっと……人間でいいです」
『かしこまりました。肌、髪や瞳の色、髪の長さなど変更できます。どうしますか?』
「えっと……肌は少し白くして、髪の毛は腰くらいまで伸ばして、色はオリーブグリーン。瞳は黄色っぽい黄緑でお願いしますっ」
えへへ……髪の毛は現実だと腰まであったら手入れが大変だけど、ゲームの中なら楽ちんだもんね。
すると、目の前に鏡のようなウィンドウ?が出現した。
『リリー様、ご確認ください。こちらでよろしいでしょうか?』
そこには少しだけキャラクターちっくなわたしがいた。もちろん、髪や瞳の色は希望通りだ。
「はい、ばっちりです!」
『では、次にステータスにポイントを割り振ってください。初期ポイントは……あら、リリー様は100ポイントあるようです。レベルが上がったりするとステータスポイントが貰えるので全て使っても残しておいても大丈夫です。あ、でも、リリー様はLUCだけはポイントが振れず変更不可みたい……それは後ほど説明しますね』
ステータスかぁ……んー。そうだ!こういう時こそサポート担当のナビさんに相談すればいいんだっ。
「ナビさん、あんまり戦いたくはないから生産系がいいと思うんだけど……その場合ってステータスの割り振りにアドバイスはありますか?」
『はい、生産職をご希望の方はDEXは必須ですね。鍛治など力が必要な作業がある場合はSTRが。LUCも制作物の出来に影響がありますが……リリー様が極振りなどをお望みでないなら他の数値にもほんの少しでも振っておけば装備や称号などで1%アップなどがあった場合有効ですね。0だと何をかけても0ですから。ただし、同じように装備や称号で数値に+1なんかもありますから後悔のないように決めてくださいね』
「ふむふむ。ナビさん、ありがとうございます」
ウィンドウが表示されたので早速ポイントを振り分けた。運すごー。
名前:リリー
種族:人間
性別:女性
状態:正常
種族レベル:Lv1
HP:40/40
MP:40/40
STR:5
VIT:5
INT:5
AGI:5
DEX:80
LUC:777(固定)
ステータスポイント:0ポイント
「できましたー!」
『こちらでよろしいですか?』
「はいっ!」
『では、続きまして職業の選択となります。ご希望の職業はお決まりでしょうか?』
「うーん、出来ればナビさんの言ってた生産職?とかいうやつになりたいんですけど……」
『生産職は鍛治職人、木工職人、錬金術師、料理人、服飾職人、農家などがございます。こちらをご覧ください』
ウィンドウにズラーっと候補が出てきたのでスクロールしていく……うん、こういう時は……相談だねっ!
「ナビさん、ナビさん!何かおすすめの職業とかってあります?」
『リリー様は生産職をご希望ということですが、特にこだわりがないのであればわたくしとしては農家がおすすめですかね。理由といたしましては職業農家を選択すると農地と簡単な小屋が貸し出され、いずれ買い取ったり改装が可能になります。小屋をホームに設定するとログアウトやリスポーン地点に登録できるので便利ですよ……しかし、デメリットとしては農地の場所は現在解放されている町のどこかにランダムです。はじまりの街かもしれないし、辺鄙な村スタートということも十分あります』
「へぇ、そんなこと知らなかった。他にもいろいろあるんですか?」
ほんとはお洋服が作りたいんだけど……家か……魅力的だな……ゲームの中でゴロゴロ……
『皆さまキャラクターメイキングをさっさと済ませて飛び出して行ってしまうので……こちらとしては聞かれないと説明できないこともあるんですよ?種族やスキル、職業やステータスによりはじまりの街以外でもスタートすることがあります。ですが、それも稀ですね。私たちの説明を飛ばした方は自動的に全員はじまりの街スタートになります。なので、職業に農家を選んでも農家についての説明を最後まで聞かなかった方たちは自力で農地を手に入れるところから始まるのです。もちろん、私たちの説明を一定以上聞きランダムスタートされた方も……数名いらっしゃいます』
「へー……」
あれ、このゲームって何万本も出荷されてるっていうのに……数名だけ?
あっ、そもそも選ぶ種族やスキル、職業やステータスで絞られるからかぁ。みんなが説明を聞かないわけじゃないもんね!
でも、ナビさんの説明は聞けることは全部聞いたほうがよさそう……
悩んだ末に職業は農家に決めた。せっかくナビさんに教えてもらったし。
「えっと、職業は農家にします」
『かしこまりました。ちなみに、最初は皆さま見習いからのスタートとなります』
へー、みんな見習いスタートなんだ……
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