12 レイティング性描写有り(エロース度かなり強め)ご注意下さい⚠ お題『元鞘』より。TENUGAを介した少年少女の純情ラブストーリー(のつもり)『僕の天使に忍び寄る悪魔』

1 もとカノは魔女まじょ


「はああぁぁ〜〜っ」

 とある休日きゅうじつぼく小松多聞こまつ たもん友人宅ゆうじんたく盛大せいだいなげいていた。

「どうした? くちからたましいしてんぞ?」

 友人ゆうじん佐藤さとうこえけてくる。

「どうした、って、彼女かのじょにフラレちゃったんだよお(なき)」

「それは、2000かい程聞ほどきいた。それで?」

「『それで』って、それだけで十二分じゅうにぶん理由りゆうになるでしょうよ? 相手あいてはあの、校内一こうないいち美少女びしょうじょ天城辰子あまじょう たつこちゃんだよ?」

天城辰子あまじょう たつこかおいのは否定ひていしない。駄菓子歌詞だがしかし! ネガティブ要素ようそ多過おおすぎじゃね? なんてったって、悪名高あくみょうたかき『魔女まじょさまだぜ? くろうわさはいくらでもくだろうよ? あの、魔獣まじゅうオーカとタメるバケモンだってはなしだぜ? わかむすめころしては、そのみ、のシャワーをびて、わかさを維持いじしてるらしいし」

「そんなわけないでしょ? 行方不明ゆくえふめいになったわかむすめはなしなんてかないし、辰子たつこちゃんの外見がいけんおさなえるのをディスってるだけじゃないか! ひとむのは魔獣まじゅうオーカだけだ!」

「では、あのときのことは? ほら、はるにうちのクラスのニ巨頭にきょとうたけるつよし一触即発いっしょくそくはつ事態じたいになったとき、それをめようとした魔女まじょが、『おんなだまってろ!』とわれてぶちキレて、ふたりを瞬殺しゅんさつした事件じけん。あのとき多聞たもんもいただろ?」

「あのときは、ふたりが保健室ほけんしつはこまれる事態じたいになったもんね。以来いらいたけしくんとつよしくんは、辰子たつこちゃんのことを『辰子たつこねえさん』とぶようになっちゃったもんね♪」

「そして、天城あまじょうとおが、『魔女まじょ』から『魔女まじょ』に昇格しょうかくした……。『天城あまじょう男説おとこせつ』も浮上ふじょうしたな」

「そんなわけないじゃん! 辰子たつこちゃんはおんなだよーっ!」

確認かくにんしたのか?」

確認かくにんはしてないけれど★」

男説おとこせつ示唆しさする目撃証言もくげきしょうげんがある。近所きんじょのドラッグストア『マツモ○ヒロシ』で、天城あまじょうが、『TENUGA テ   ヌ   ガ 』をってかえったというモノだ。おんなはアレ使つかってオナニーとか出来できないだろ?」

「そ、それは、きっと、大丈夫だいじょうぶなんじゃないかな? あせあせ💦 おとこひと使つかってあげたというか……、 使ってもらったというか(テレれ)」

「えっ? ひょっとしてかれたの? 『TENUGA テ   ヌ   ガ 』で?」

 こくん。

天城あまじょうに?」

 こくこく。

「ひょっとして、天城あまじょうとやっちゃった?」

 ぶんぶんとくび左右さゆうる。

「それはしてない。辰子たつこちゃん、むねられるのずかしいって。だからブラジャーにスカート姿すがた以上いじょうたことない」

天城あまじょうも、いっちょまえにブラとかしてんのか。いらんだろ?」

辰子たつこちゃんにいつけるよ?」

「それは勘弁かんべんしてくれ! ころされる(ガクブル)」


2 もとカノは妖精ニンフ


 友人宅ゆうじんたくからかえると、変装へんそうをしてドラッグストア『マツ○トヒロシ』に出掛でかけ、『TENUGA テ   ヌ   ガ 』を購入こうにゅうした。店外てんがいのトイレで帽子ぼうし・サングラス・マスクをぱらう。

 『TENUGA テ   ヌ   ガ 』は、男子だんし高校生こうこうせい日常的にちじょうてき使用しようするには、かなりの高級品こうきゅうひんである。それでもぼくにとって、それはたんなるオナニーグッズ以上いじょう意味いみっていた。

 そう、辰子たつこちゃんの象徴しょうちょうなのである。がれる相手あいて少女しょうじょ象徴しょうちょうが、オナニーグッズであるとは、失礼しつれいはなしだろう。同級生どうきゅうせいのことを、オナペットとしてしかていないと断罪だんざいされるかもしれない。

 でもあの出来事できごとぼくにとって、ゆがんだ性癖せいへきけられるほどの、強烈きょうれつ印象いんしょうのこした。

 あの以降いこうぼくのオナニーのシチュエーションは、『上半身じょうはんしんブラジャーに下半身かはんしんスカート姿すがた天城辰子あまじょう たつこちゃんに『TENUGA テ   ヌ   ガ 』でシコシコされててる』シーン一択いったくとなってしまった。

 彼女かのじょわかれて一週間いっしゅうかん。こんなことではダメだ! と、変装へんそうしてエロースぼんい、ことにおよんでみたがダメだった。

 女性じょせいはだか写真しゃしんなんかよりも、クラスメイトで恋人こいびと美少女びしょうじょが、すこれながらも、ぼく性処理せいしょりいたしてくれた。その事実じじつ衝撃度しょうげきどほう圧倒的あっとうてきおおきかったのである。

 『TENUGA テ   ヌ   ガ 』で、あのときのことを、追体験ついたいけんしたい。あのじらいながらも、ぼく股間こかん交互こうごつめ、ぎこちないつきで一生懸命いっしょうけんめい奉仕ほうししてくれた辰子たつこちゃんの記憶きおく一生いっしょう手放てばなしたくない。そうおもっていた。

 ついいそあしになり、不用意ふよういがりかどへ。

 ドンッ!

「わっ!」

「きゃっ!」

 だれかとぶつかって尻餅しりもちをついた。

「ごめん、まえをよくてなかっ……」

わたしほうこそ、ごめんなさ……」

 身体からだこしつつ、あやまりかけたところで双方そうほう停止ていしする。

辰子たつこちゃん」

「たももんじゃん! ごめんね。ぼうっとしてた★」

「そんな、ぼくほうこそごめん」

「あっ、荷物にもつとしてるよ。はい☆」

 辰子たつこちゃんがひろって手渡てわたしてくれたのは、さっきったアレの紙袋かみぶくろ動揺どうよう上手うまつかそこねたアレが、ウナギのようにをすりけ、あろうことか紙袋かみぶくろやぶって辰子たつこちゃんのむねまでんでいった。

「あんっ♡」

 パシッ。むねたってちてきたところを辰子たつこちゃんナイスキャッチ。

あばれんぼうさんだね。あらためておかえししま……」

 ピタッ! 辰子たつこちゃんのうごきがまる。いそいで回収かいしゅうしようと、

「あっ、ありがと……」

と、捕獲ほかくかうが、

「えいっ☆」

両手りょうてげて拒否きょひする辰子たつこちゃん。

「そんな、どうして?」

 はや回収かいしゅうしてかえりたい。いやソレをトカゲのしっぽわりにかえろうと、けようとした刹那せつな

「ねえ、たももん。たまってるの? わたしければ、してあげようか?」

 辰子たつこちゃんが、いたずら好きのニンフ ニ  ン  フ  ォ  マ  ニ  ア 表情ひょうじょうのぞかせた。

(『ニンフォマニア』→『色情狂しきじょうきょう』のこと)


 そんなわけで、ぼくいえぼく部屋へや下半身かはんしんまるだしのぼくはデスクの椅子いす移動いどうさせてすわり、辰子たつこちゃんはベッドにすわっている。椅子いす微調整びちょうせいして丁度良ちょうどい距離感きょりかんに。

「ごめんね、たももん。射精しゃせい管理かんりはカノジョのつとめなのに、途中とちゅうすようなことになっちゃって」

 辰子たつこちゃんのカノジョかん性知識せいちしきは『絶対ぜったいエロマンガとう由来ゆらいでしょ?』といたくなる程度ていどにはゆがんでいた。

「いや、それはいいよ。それよりなんでこんなことを?」

「たももん、つらいんじゃないかとおもって。もとカノとして、出来できることは協力きょうりょくするからね♪」

 出来できればカノジョにもどってしいんですが。あ、TENUGAテ   ヌ   ガ

 あたりを見回みまわすとデスクづくえうえきっぱなしにしてあった。りにこうとすると。

「いいよ、それはわたしがいないとき使つかいなよ。今日きょうわたしがしてあげる」

 辰子たつこちゃんのちいさなしろゆびぼくのモノにれる。

「あっ♡」

 辰子たつこちゃんは私服しふくのまま、あまりかけないむらさき基調きちょうのワンピース姿すがたであった。

「そういえば、おとこひとって、おかずがないとイケないんだよね? おかずなしにごはんばっかり、三杯さんばい四杯よんはいべられないもんね? エロースなほんとかってないの?」

 めてたずねてくる。けれども、辰子たつこちゃん本人ほんにん以上いじょう魅力的みりょくてきなおかずをぼくらない。

「いや、いらない。そんなのよりも、ぼく辰子たつこちゃんのかおながらイキたいんだ!」

「たももん♡ じゃあ、わたしもちょっぴりサービスしちゃうよ☆ きゅうにおわかれしたことへのおびもねて。スカートめくってもいよ?」

 ドキン♡ 心臓しんぞうがる。もう二度にどおがめないとおもってた、パ・パパパパパ、パンツを……。

 紫色むらさきいろのスカートをすこしずつたくしげていく。色白いろじろしろあしあらわになっていく。興奮こうふんおさまらない。

 ふともも。そこにあたまあず膝枕ひざまくらなんてしてもらえたら、てんにものぼ気持きもちなんだろうなあ。

 かるにぎった辰子たつこちゃんの右手みぎてが、緩急かんきゅうをつけながら上下じょうげ運動うんどうかえす。

 うっ、ヤバい。もう我慢がまん出来できなくなってきている。辰子たつこちゃんのおパンツをっ。ややあわ気味ぎみにスカートをたくしげあとわずかというところでぼく絶頂ぜっちょうたっしてしまった。

「あっ! ああ〜あ、あー。あっ、あっ」 辰子たつこちゃんの『あ』が、ぼくのリズムにわせてつむがれる。

 はなたれた欲情よくじょうあかしは、ほぼそのすべてがぼくふくへとそそいだ。みじめだった。

 辰子たつこちゃんの右手甲みぎてこうがわ親指おやゆび人差ひとさゆびのつけあたりに、しろ白濁液はくだくえき付着ふちゃくしていた。

 辰子たつこちゃんはそのを、ぼくまえってきて一言ひとこと

めて綺麗きれいにして♡」

 にっこり微笑ほほえかお、そのひとみ魔性ましょうひかりたたえていた。


3 天城辰子あまじょう たつこちゃんはぼく天使エンジェル👼


 そのからはやくも1ヶ月いっかげつ経過けいかしていた。そのかん進展しんてんはゼロ。

 そのぼく目撃もくげきしてしまった。

 辰子たつこちゃんが、チャラチャラしたイケメン大学生だいがくせいふうおとこに、うでつかまれているところを。

「ちょっと、やめてよ! はなしてったら!」

「そういうわけにはいかん! このまま拉致らち監禁かんきんする」

「ちょっと冗談じょうだんでしょ? わたしおこらせたら……」

 辰子たつこちゃんが戦闘せんとう態勢たいせいはいった。いいぞ、れ! ころせーっ!

 しかし、

うことをかないと〇〇母さんいつけるぞ!」

われ、ファイティングポーズをいてしまった。〇〇のところがよくこえなかったが一体いったいなにわれたのだ?

 はなのようなかんばせが、蒼白そうはくになり、わずかにふるえている。なによわみをにぎられているのか?

 チャラ男悪   魔うでられるまま、足取あしどおもくついていく辰子たつこちゃん。

 これはピンチにちがいない。たすけなければ! ぼくけていって、ふたりのまえふさがった。

「やい、おまえ! その薄汚うすぎたな天城あまじょうさんからはなすんだ!」

「はあ? わるいがいまいそいでいるんだ。また、今度こんどにしてくれ」

 略取誘拐りゃくしゅゆうかい現行犯げんこうはんにそうわれて、『はい、そうですか。わかりました』とがるわけにはいかない。

はなせとってるんだ!」

 辰子たつこちゃんをつかんでいるほうとは逆側ぎゃくがわかたなぐりつけた。正直しょうじき中学ちゅうがく高校こうこうとケンカしたことがなく、はゼロだった。それでも辰子たつこちゃんだけはまもらなくちゃ。

 なぐるの攻撃こうげきかえすもダメージをあたえた様子ようすはない。

「おい、ガキ。いい加減かげんにしとけよ? それ以上いじょうやったら、承知しょうちしないぞ?」

「やるならぼくをやれっ! 辰子たつこちゃんはいのちえてもぼくまもる」

 むなぐらをつかまれ、身体からだげられる。背伸せのびをしたような状態じょうたいとなった。

さきしたのはおまえだからな。わるおもうなよ」

「やめて、おにいちゃん!」

 お、おにいちゃん?

 はなされた瞬間しゅんかん、スライディング土下座どげざした★


4 なんだかんだでもとさやおさまった


「まさか、多聞たもん天城あまじょう元鞘もとさやになるとはな?」

「たももん、カッコかったよ♡」

「でへへへへ☆」

 3にんでお弁当べんとうべる昼休ひるやすみのひとコマであった。

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