勝手にKACエクストラ🐻 あなたのお題で物語を紡ぐぴょん🐰

６ お題『ズボンの折り返し』より『マジカル♡くノ一❄魔女っ子☆ゆきちゃん。くノ一なのに男子校に潜入？ 嫌な予感しかしない』 レイティング性描写有り

１　公益（こうえき）社団（しゃだん）法人（ほうじん）だったんだね

「人食（ひとく）いザリガニ？」

「ええ、そうよ。『公益（こうえき）社団（しゃだん）法人（ほうじん）日本（にほん）魔女（まじょ）連盟（れんめい）』からの依頼（いらい）があってね。でも、お母（かあ）さん、身重（みおも）でしょ？　赤（あか）ちゃんに悪（わる）い影響（えいきょう）があったらいけないし★　断（ことわ）ることも考（かんが）えたんだけれどね」

　お母（かあ）さんの話（はなし）を要約（ようやく）すると、今（いま）日本（にほん）にはおよそ300人（にん）の魔女（まじょ）、魔法少女（まほうしょうじょ）がいて、国内（こくない）の超自然的（ちょうしぜんてき）な生物等（せいぶつとう）の駆除（くじょ）に当（あ）たっているそうなのだが、最近（さいきん）は人材不足（じんざいぶそく）らしく、この人食（ひとく）いザリガニと戦（たたか）える魔女等（まじょとう）は、みんな大（おお）わらわらしい。だから、半分（はんぶん）引退（いんたい）してるお母（かあ）さんみたいな人（ひと）にまで依頼（いらい）がくるのである。

　人食（ひとく）いザリガニと戦（たたか）えるのはＣランク以上（いじょう）の者（もの）らしく、私（わたし）はギリギリＣランクだということだ。

　でも、正直（しょうじき）危険（きけん）なことはしたくない。家（いえ）でごろごろしながら、小説（しょうせつ）投稿（とうこう）サイト『カコヨモ』で、小説（しょうせつ）を書（か）いて過（す）ごしたいのだ。カコヨモでも、『ロイヤルティプログラム』が始（はじ）まって、ＰＶ数（すう）に応（おう）じてお金（かね）が貰（もら）えるようになったらしいのだ。詳（くわ）しいことはよくわかんないけど。

「お母（かあ）さんはパートもやめちゃったし、あなたにも働（はたら）いて欲（ほ）しいんだけれどな」

「ううう、お仕事（しごと）したくないよお★」

「人食（ひとく）いザリガニ退治（たいじ）の報酬（ほうしゅう）はこれくらい」

　コンビニバイトの１年分（ねんぶん）以上（いじょう）はありそうだ。

「私（わたし）でも大丈夫（だいじょうぶ）かなあ？　もう食（く）われるのやだ★　長（なが）いこと四年（よねん）に一度（いちど）の晩餐会（ばんさんかい）の主役（しゅやく）だったんだよ？　食（く）われる方（ほう）だったけれど★」

「だいじょぶ、だいじょぶ。あなたに歯（は）が立（た）たない相手（あいて）なら、お母（かあ）さん、こんな話（はなし）持（も）ちかけないわよ。それでね……」

２　潜入先（せんにゅうさき）は忍者（にんじゃ）養成（ようせい）学校（がっこう）。しかも男子校（だんしこう）ときた

「ズボンの折（お）り返（かえ）しは、ここをこうやってだな〜……って、ちげーよ！　そうじゃねえって！」

　う〜！　なんでこんなことしなくちゃいけないの〜★

「お前（まえ）、服（ふく）ぐらい畳（たた）めなくてどうすんだよ？　前（まえ）にひとり暮（ぐ）らししてたときは、どうしてたんだ？」

「そんなん洗濯（せんたく）して干（ほ）しときゃ良（い）いじゃん！」

「乾（かわ）いたら畳（たた）んでタンスにしまうだろ？」

「ううん。次（つぎ）着（き）るときまで部屋（へや）の中（なか）で掛（か）けっぱなしだよ。わざわざ畳（たた）んでタンスに入（い）れて、タンスから出（だ）して着（き）る。その作業（さぎょう）ムダじゃん。ムダを省（はぶ）くのは大切（たいせつ）だよ」

　お兄（にい）ちゃん、右手（みきて）で目（め）を覆（おお）って、

「あちゃー、ダメだこりゃ！」

と呟（つぶや）く。何（なに）がダメなのさ！

「お前（まえ）ひとりで大丈夫（だいじょうぶ）なのかよ？」

「高校卒業（こうこうそつぎょう）して６年間（ねんかん）、ひとり暮（ぐ）らししてましたよ〜だ。べー」

　お兄（にい）ちゃんは、腕組（うでぐ）みをして首（くび）を傾（かし）げる。

「まあ、服（ふく）畳（たた）めなくても死（し）ぬことはないわな」

「あったりまえじゃん！」

　お兄（にい）ちゃん、諦（あきら）めたようだ。

「話（はなし）は変（か）わるが、なんで人食（ひとく）いザリガニを退治（たいじ）するのに、忍者（にんじゃ）学校（がっこう）に潜入（せんにゅう）なんだ？」

「それがね？　忍者（にんじゃ）養成（ようせい）学校（がっこう）の発起人（ほっきにん）一族（いちぞく）が、人食（ひとく）いザリガニを飼（か）ってて、殺（ころ）した人間（にんげん）を食（く）わせて処分（しょぶん）してるらしいんだ。忍者（にんじゃ）っつったら、でっかいガマガエルに乗（の）ってるイメージでしょ？　ガマの代（か）わりに、でっかいザリガニに乗（の）ってんだって！」

「そこ男子校（だんしこう）なんだろ。で、お前（まえ）は女（おんな）の子（こ）ときた。どうすんだよ？」

「そこは魔法（まほう）でシャラ〜ンとイケメン男子高校生（だんしこうこうせい）に変身（へんしん）。その学校（がっこう）の秘密（ひみつ）を暴（あば）いて、人食（ひとく）いザリガニを華麗（かれい）にカレーにやっつけて帰（かえ）ってくるの。素敵（すてき）でしょ？」

「それは最高（さいこう）だな」

「そうよ、最高（さいこう）のカレーよ🍛　そういえば、今日（きょう）は牡蠣（かき）フライカレーなんだって。牡蠣（かき）が安（やす）かったみたいで、でも生食（なましょく）はちょっと怖（こわ）いじゃん。明日（あした）から私（わたし）忍者（にんじゃ）学校（がっこう）だし。だから、牡蠣（かき）フライカレーの牡蠣（かき）祭（まつり）よん♪　あっ、私（わたし）お母（かあ）さんとこ行（い）ってくるから、それ全部（ぜんぶ）畳（たた）んどいて。よろしくね、優（ゆう）たん♡」

３　朝（あさ）からツイてない。顔（かお）は可愛（かわ）イケメンだけれど、身体（からだ）は？

「辰子（たつこ）ー、早（はや）くしないと入寮（にゅうりょう）の時間（じかん）に間（ま）に合（あ）わないわよ〜！　だから、寝（ね）る前（まえ）に変身（へんしん）の呪文（じゅもん）を掛（か）けときなさいって言（い）ったのに！」

　牡蠣（かき）フライカレーを３杯（ばい）も食（た）べてお風呂（ふろ）入（はい）ったら猛烈（もうれつ）に眠（ねむ）くなっちゃったのだ。しかも、早起（はやお）きして魔法（まほう）を掛（か）けようとしたら寝過（ねす）ごすし……★　あー、なんてツイてないの、私（わたし）〜っ！

　大慌（おおあわ）てで、変身（へんしん）の呪文（じゅもん）を唱（とな）える。

『テクニク・テクニ○・シャランラ〜☆　イケメンタッチでマジカル♡くノ一（いち）❄魔女（まじょ）っ子（こ）☆ゆきちゃんにメタモルフォーゼ(恥（は）ずかすぃー)』

　まもなくもれなく、私（わたし）の全身（ぜんしん）を眩（まぶ）しい光（ひかり）が包（つつ）み込（こ）み、でも、服（ふく）は消（き）えず、やっぱり、マジカルステッキを振（ふ）りかざしながら舞（まい）を舞（ま）っていた。

　これ、省略（しょうりゃく）出来（でき）ないのかな〜、不便（ふべん）だし面倒（めんど）くさいし、何（なに）より赤面（せきめん）モノである。ギャラリーがいなくても、恥（は）ずかしいんだから、人（ひと）が見（み）てたら絶対（ぜったい）変身（へんしん）出来（でき）ないよ。

　そんなことより、鏡（かがみ）、鏡（かがみ）！

　鏡（かがみ）に映（うつ）った私（わたし）の顔（かお）は、女（おんな）の子（こ）っぽく見（み）えるものの、可愛（かわい）らしいイケメン男子風（だんしふう）になっていた。

「よっしゃ、変身（へんしん）成功（せいこう）！　あ〜、トイレ行（い）っとこう。おしっこ、おしっこ」

　このとき、気付（きづ）くべきであったのだ。

　アレが、え〜、その〜、もうっ、どうしても言（い）わせる気（き）？

　ええ、そうよ、お○んちんよ、おち○ちんがツイてなかったのよ！

　つまり、私（わたし）は『可愛（かわ）イケメン男子（だんし）』ではなく、単（たん）なる『男装女子（だんそうじょし）』になっていたに過（す）ぎなかったのだ！　魔法（まほう）の意味（いみ）な〜い！

４　いわゆる海（かい）パン一丁（いっちょう）で、みんなの前（まえ）で自己紹介（じこしょうかい）。ザンネンちっぱいではありますが、それでも女（おんな）の子（こ）です★　膨（ふくら）らみはあります

　お昼（ひる）には座理牙（ざ　り　が）忍者（にんじゃ）養成（ようせい）学校（がっこう）の編入（へんにゅう）手続（てつづ）きを終（お）えていた。

　編入（へんにゅう）手続（てつづ）きを終（お）えると、お母（かあ）さんは帰（かえ）っていった。私（わたし）の寮（りょう）の部屋（へや）には、２日前（ふつかまえ）に主（おも）な荷物（にもつ）は運（はこ）び込（こ）んであった。

　編入（へんにゅう）手続（てつづ）きといっても、私（わたし）は戸籍（こせき）も住民票（じゅうみんひょう）もない身（み）だから、偽造的（ぎぞうてき）な書類（しょるい）を活用（かつよう）したらしいんだけれどね。詳（くわ）しいことはわかりません。要（よう）は、この学校（がっこう）の悪行（あくぎょう）を暴（あば）いて、人食（ひとく）いザリガニをやっつけたら良（い）いんだ。ちょろい、ちょろい♪

　なんか、次（つぎ）の授業（じゅぎょう）で私（わたし）を紹介（しょうかい）するらしいので、授業（じゅぎょう）を受（う）けなければならなくなった。あー、めんどくせえなー。私（わたし）、社会人（しゃかいじん）だったんだよ？　今更（いまさら）、高校（こうこう）の授業（じゅぎょう）なんて、受（う）けてらんないよ。

「次（つぎ）は体育（たいいく）で、水泳（すいえい）って言（い）ってたな。海（かい）パンは、これか！　イケメン男子（だんし）に変身（へんしん）してるから良（い）いけれど、女（おんな）の子（こ）のときに海（かい）パン一丁（いっちょう）で人前（ひとまえ）出（で）たら恥（は）ずか死（し）ねるよね？」

　外（そと）で担任（たんにん）の先生（せんせい）が待（ま）っていてくれてる。

　私（わたし）についたちんちんがどんなモノか興味（きょうみ）があったけれど、急（いそ）いで服（ふく）を脱（ぬ）ぎ、海（かい）パンを装着（そうちゃく）した。なんで男子諸君（だんししょくん）は、こんな上半身（じょうはんしん）裸（はだか）で恥（は）じらいを感（かん）じないんだろう？　胸（むね）は膨（ふく）らんでなくても、乳首（ちくび）は丸出（まるだ）しじゃん！　乳首（ちくび）ってある意味（いみ）性器（せいき）でしょ。人（ひと）に見（み）られて恥（は）ずかしくないのかなあ？

　水泳帽（すいえいぼう）を被（かぶ）り(おおっ、髪（かみ）も短（みじか）くなっとる♪)、バスタオルを胸（むね）に抱（かか）えて、部屋（へや）を出（で）た。男（おとこ）の子（こ）に変身（へんしん）してるとはいえ、元（もと）が女（おんな）の子（こ）の私（わたし）にとって、裸（はだか）の胸（むね）を見（み）られるのは相当（そうとう）恥（は）ずかしいのである。いっそすんげぇ、もじゃもじゃの胸毛（むなげ）でも生（は）えててくれたら良（い）いんだけれど、どうやら生（は）えてなさそうだ。

(もちろん、このときの私（わたし）は男（おとこ）の子（こ）になるのに失敗（しっぱい）していることに気付（きづ）いていない)

「……から来（き）ました今場達男（いまじょう たつお）です。よろしくお願（ねが）いします……」

　授業（じゅぎょう）が始（はじ）まって、みんなの前（まえ）で紹介（しょうかい）されて、自己紹介（じこしょうかい）をする。

　それにしても、なんだろう？　私（わたし）を見（み）る男子（だんし）生徒（せいと）たちの目（め）つきが……なんか怖（こわ）い。よそ者（もの）に対（たい）する敵対心（てきたいしん）？　い〜や、違（ちが）う。この目（め）は、ロリコンのお兄（にい）ちゃんが着（ちゃく）エロ小学生（しょうがくせい）アイドルＤＶＤを見（み）るときの目（め）つきだ。この人（ひと）たち、みんなゲイか？　この可愛（かわ）イケメンをどうこうしたいと……。

　ピコーン💡

　気（き）がついてしまった。不幸（ふこう）にも気（き）がついてしまったのだ。むしろ、授業（じゅぎょう）が終（お）わるまで気（き）が付（つ）かなければ幸（しあわ）せだったのに！

　みんなの視線（しせん）は私（わたし）の胸（むね）に向（む）けられている。そして、ちらりと見（み）た私（わたし）の胸（むね）は、普段（ふだん）の13歳（さい）の胸（むね）よりも、細（ささ）やかではあるが、ほんの細（ささ）やかではあるが、膨（ふく）らんでいるように見（み）えた。

　ザンネンちっぱいではあるが、それでも紛（まぎ）れもなく、女（おんな）の子（こ）の胸（むね）であった。

　なんてこったい！　盛大（せいだい）に乳（ちち）ポロリしているではないか。ガッデム、ちくしょう。乳（ちち）丸出（まるだ）しで、自己紹介（じこしょうかい）して、よろしくなんて、どんなポロポーズだよ！　これでは編入生（へんにゅうせい）ではなく、変乳性（へんにゅうせい）(【変（へん）】態（たい）で【乳（ち）】房（ぶさ）(というほどのモノではないが)を見（み）せて興奮（こうふん）する【性（せい）】癖（へき）)だよ！

　あ〜〜〜〜、口（くち）から魂（たましい）が抜（ぬ）け出（で）そう。いや、積極的（せっきょくてき）に抜（ぬ）け出（だ）したい。でも、もちろん無理（むり）である。

　私（わたし）は男（おとこ）、私（わたし）は男（おとこ）、私（わたし）は男（おとこ）……。内心（ないしん）で呪文（じゅもん）のように唱（とな）えつつ、自己紹介（じこしょうかい）を終（お）えた。でも授業（じゅぎょう）は始（はじ）まったばかりであった★

　クリアしたお題（だい）

『ズボンの折（お）り返（かえ）し』

『ロイヤルティプログラム』

『四年（よねん）に一度（いちど）の晩餐会（ばんさんかい）』

『忍者（にんじゃ）』

『最高（さいこう）のカレー』

『牡蠣祭（かきまつり）』

『優（ゆう）たん』