第9話 天使の妹
「何だこの子?」
「これは天使族だね。滅多にお目にかかれない存在だよにぃに」
天使族?あの神様の使いのアレか?
こいつもテイムできるというのか分からないが……。
天使族の少女の肌を見る。とても白い、まるで人形のように白い。
だが外傷が多いな。襲撃にでもあったのだろうか?
取りあえず回復魔法をかけるか。
「【
たちまち外傷は消え、白くて綺麗な肌になる。
気絶してるから、取りあえず持って帰ろう。攫うんじゃなくて、安全を確保するためにな。
「え…にぃに。その天使を持って帰るの?」
「今ここでテイムしたら何て言われるか分からないからな」
と言っても宿屋に持っていても面倒くさい。
なら結界でも張って、魔物が寄ってこないようにさせるか。
人避け結界を張る。辺りは静まり、俺とティア、天使の少女だけとなった。
さて、テイムしてみるか。
天使の少女に触れ、【テイムⅩ】を発動する。
発動したとたん、ウインドウが呼び出され、報告が出る。
『天使族の女の子をテイムしました。名前を決めてください』
「うーん、そうだな。よし。名はリオン・キリシマ。俺の妹だ」
『テイム申請完了。名は「リオン・キリシマ」に決定。血族称号「妹」。【魔力進化】の対象になりました』
取りあえずこれで良し。後は【魔力進化】をかければ終了だ。
「一応聞くが、本人は了解してるのか?」
『本人は完全に承認しています』
すごいなテイムⅩ。ほぼ洗脳並みにテイム成功値が高いぞ……ん?
後ろを振り向くとティアがプルプルと震えてる。もしかして怒った?
「にぃに……その子も妹にしちゃったの?」
怒りは感じない。何かの問か?出来るだけ答えるか。
「つまり、アタシと同い年の妹のような感じなんだね?」
「まぁその通りだが?」
そう答えると、ティアの顔が安心した表情になる。
「よかったー。アタシが年下になってたらさすがに怒ってたよー」
ああ……下になるのが嫌だったのか。
まさか上下関係に敏感なのか?
前世では俺に兄妹はいなかったからな。俺は生まれた頃から一人っ子だったし。
分からなくもないが……。
『【魔力進化】を開始します。しばらくお待ちください』
突然、【魔力進化】の知らせがウインドウに出る。
せいぜい100000くらいMPを突っ込んだからな。後は時間さえ知らせてくれれば楽なんだが……。
今のうちにリオンのステータスを見ておくか。
リオン・キリシマ
LV7 メイン称号:レンジの妹
種族:天使族 種族階級:
性別:女性 種族能力:飛翔、
状態異常:眠り及び気絶(魔力進化の影響下、眠りとして扱います。眠りは時間が経てば解除されます)
HP30 MP50
特技
・
魔法
・
・
おー!結構いい能力を持ってた。天使だけに聖なる力があるみたいだな。
初期からレベルが7とか結構強いぞ。進化後が楽しみだ。
「よし、ティア。リオンが起きるまでそこらでレベリングだ」
「よっしゃ!張り切っていこー!」
結界を解除し、ティアに遊撃命令を与える。俺はレベルが8000にも上がってるから必要はないとして、前衛が強くなくては意味がない。
取りあえず周辺の敵のみと言って、自由にさせる。
そう言えばこのウインドウ、ティアたちにも見えるようにできないか?
『テイマーが仲間モンスターにステータスウインドウを見えるようにする場合、そのテイマーの許可が必要になります』
何と…許可制だったのか。これは確かに見えないはずだ。
「じゃあまずはティアだけ、見えるようにする」
『許可が下りました。確認をお願いします』
この知らせが出たとたん、近くで戦っているティアが驚く。
「わっ!いきなり変なの出てきた!えっとステータス?これがにぃにの言ってた奴かなぁ?」
そう言いつつウインドウをスライドさせ、呼んだり消したりしてる。驚いた割には能力の見方が手馴れてるんだが……。
『進化完了いたしました』
突然知らせの文字が浮き出た。どうやら早く進化が終わったらしいな。
リオンの方へと目をやる。むくりと起き上がり、欠伸をした後に背伸びをする。
「おはよう。お兄ちゃん」
お……お兄ちゃん…。言い方は可愛いがその裏に堅物さを感じるぞ。
進化に成功したし、ステータスを確認及び見えるようにしよう。
リオン・キリシマ
LV7 メイン称号:レンジの妹
種族:天使族 種族階級:
性別:女性 種族能力:飛翔、
状態異常:無し
HP250 MP500
特技
物理系
・
魔法
・
・
・
おお!?だいぶ魔法使いっぽいステータスになったぞ!
体力とMPがとてつもなく高い。
後衛としては強いぞ。進化させて正解だったな。
「リオン。今、同じ妹であるティアがレベリングをしているから、お前も手伝いに行け。たぶんティアはダメージを負ってる可能性がある」
「わかったよ」
リオンは飛翔し、上空でティアを探す。
数秒経って、確認し、上空による援護をし始めた。
連携ってすごいな。
*
あれから数時間。
森でレベリングをしつつも依頼をこなしていたら、ティア達のレベルがかなり上がっていた。
ティア・キリシマ
LV8→15 メイン称号:レンジの妹 サブ称号:冒険者
種族:人竜族 種族階級:グレイトドラゴン
性別:雌 種族能力:飛翔、
状態異常:無し
愛情度レベル:300→700
HP800→2400 MP200→400
特技
ブレス系
・輝く息 SKILLUP ・黒炎の息吹 ・ポイズンブレス ・麻痺毒ブレス
・酸性の息 ・催眠ブレス NEW
物理技
・
魔法
・
うん、結構強くなり、新しいブレス系特技が追加されてる。
もはや前衛の範囲攻撃はティア任せになりそうだ。
リオン・キリシマ
LV7→13 メイン称号:レンジの妹
種族:天使族 種族階級:
性別:女性 種族能力:飛翔、
状態異常:無し
HP250→1800 MP500→1100
特技
物理系
・
魔法
・
・
・
ステータスがヤバい事になってるな。魔法による範囲攻撃がヤバすぎる。
新しい魔法も覚え、回復職化が進んでるよ……。
もしこの世界に魔王がいるならこの二人だけで倒せそうだ。
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